SECOND HALF
そこからは特に面白い話もないので、流してしまう。
2年後に長男が生まれた。俺の両親もだけど、佳奈の両親の喜びようったら、なかった。
特にお義父さんは女の子しかいなかったせいか、俺の息子といると、このまま溶けてなくなっちゃうんじゃないか、って言うくらいトロトロで、かつての頑固親父の印象なんか3億光年の彼方に吹っ飛んでしまった。
今でも佳奈と美奈が揃うと、佳奈の家に結婚を認めてもらいに行ったときのことを笑い話にする。佳奈がしゃべったことを言うと、佳奈は忘れろと言いながらぽかぽかと俺の背中をぶってくる。あのことは、佳奈の中では忘れたいほど恥ずかしい過去みたいだ。
でも、今では俺や息子とはよく話すよ。発音やイントネーションも少しずつ良くなっている。
作品名:SECOND HALF 作家名:sirius2014