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アナザーワールドへようこそっ!  第二章  【023】

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「つまり、お兄ちゃんが『媒介役(メディエーター)』を神と契約したときの代償がこの『色欲の封印』なんだけど、これはお兄ちゃんが誰かと『恋人の仲』『不埒な仲』…………『エッチな仲』……」
「……えっ?」

 今、何つった?

「だ、だから、『恋人の仲』『不埒な仲』……『エッチな仲』になると『神との契約破棄』とみなされて、『媒介役(メディエーター)』を失うことになるってことっ!」
「あ、ああ……」

 な、何だか、シーナが『エッチ』って言葉使うと…………いやらしいな。


 ぎゅうううううーーーー。


「痛ててて……っ! ご、ごふぇんなさい……っ!」
「……ちゃんと、マジメに、話を聞いてよね……お兄ちゃんっ?!」 


 久しぶりの『頬つね』でした。


「ま、まあ、そんなとこだろうな~とは、前に少し話を聞いたときに、ある程度、覚悟はしていたけど……」
「うん、たぶんそうだよね。でもね…………他に、もう一つ、『やっかいなこと』があるの」
「やっかいなこと……?」
「うん。それは、お兄ちゃんが『神通具現化(ディバイン・フォース)』を発動し過ぎて、現時点で持っている『神通具現化(ディバイン・フォース)を使える量』を越えたときに起きるものなんだけど……」
「『神通具現化(ディバイン・フォース)の使える量』……?」
「うん。最初の内は力を使える量は少ないんだけど、使い続けていけばいくほど、その量は増していくの」
「へー」
「そして、その使い過ぎかどうかを確認するのが、その『六芒星』の光の色になるんだけど、今、みたいに『淡く光っている状態』はかなり消費している状態なの」
「へー」

 俺は、まだ、『事の重大さ』に気づいていなかった。

「……それで、さっきのリサの行動を思い出して欲しいんだけど、リサがお兄ちゃんに抱きついたよね?」
「あ、ああ……」
「あれ……リサのあの抱きつき……ちょっと、やり過ぎだとは思わなかった?」
「えっ? そ、それは…………」

 うーむ、どうだろう。

「リサは、『異世界の人間』に出会えたことをすごく喜んでいたから、その感情がつい、ああやって俺に抱きつくことになることは……あるんじゃないか?」

 俺はシーナに反論する。しかし……、

「そう? 仮にも一国の主だよ? いくら幼いからって、あんな『軽はずみな態度』を取る? わたしはちょっと違和感を感じたけど?」

 うーん、そう言われてみれば…………そうかもしれない。

 自分の意見がない主人公ですみません。

「そして、その後、リサはわたしとお兄ちゃんに再度抱きついてきたけど、その時、お兄ちゃんに聞こえないように、わたしにこう言ったの…………『お兄ちゃんのことが気に入った』って」
「えっ?」

 マ、マジっすか?

「…………デレッとしてますぜ、旦那」
「!?」

 シーナが軽蔑を込めたトーンでツッコミを入れ、すぐにまた話を続ける。

「あれは……あのリサのお兄ちゃんへの『一目ぼれ』とも取れる言葉や行動は、お兄ちゃんが『神通具現化(ディバイン・フォース)』を使い過ぎたために起きた可能性があるの」
「……えっ?」
「今回、お兄ちゃんにやらせた『神通具現化(ディバイン・フォース)』による『職員棟の浮遊』は、『六芒星』の光を見る限り、わたしが思っていた以上に、お兄ちゃんの『許容量(キャパシティ)』を超えて消費していたみたいなの……」
「そう……なの? でも、別に疲れた感じは無かったけど……」
「まあ、『神通具現化(ディバイン・フォース)』は体力とは関係ないからね……どちらかと言うとお兄ちゃんの『生命力』に影響があるものなんだけど…………まあ、この話は今はいいかな。とりあえず、今回、お兄ちゃんが『神通具現化(ディバイン・フォース)』の力を使い過ぎて、『許容量(キャパシティ)』を越えてしまったため、その『神通具現化(ディバイン・フォース)』自体を使えなくするよう、『神との契約』である『色欲の封印』を破らせようとする力…………『誘惑誘引(テンプテーション)』が働いたと思われるの」

「テ……『誘惑誘引(テンプテーション)』?」

「うん。お兄ちゃんは今、『色欲(性欲)の封印』を持って『神との契約』を経て、この『媒介役(メディエーター)』となって『神通具現化(ディバイン・フォース)』を使えるようになったんだけど、その封印した『色欲(性欲)』を誘惑して『神との契約』を破棄しようとする力が、この『誘惑誘引(テンプテーション)』なの」


『誘惑誘引(テンプテーション)』


 な……な……、


 なんて、響きの良い言葉なんだっ!


『誘惑』…………されてみたい、かも。


 まだまだ、『事の重大さ』に気づいていない俺がそこにいました。


「つまり、『誘惑誘引(テンプテーション)』は、『神通具現化(ディバイン・フォース)の使い過ぎ』で発生するものだから、この『誘惑誘引(テンプテーション)』が起きないよう、力を使うときは、できるだけ、『六芒星』の光の状態を見ながら、『神通具現化(ディバイン・フォース)』は使う必要があるってことなの」
「ふーん、なるほどねー…………あれ? ということは…………つまり、何ですか? リサが俺に『一目ぼれ』とも取れる言葉や行動は、『俺の魅力から』ではなく、この『誘惑誘引(テンプテーション)』の力が働いたから……つまり、『俺の魅力』とは関係のない力が働いたから、てことになるの?」
「うん、そういうこと。さすがお兄ちゃん、飲み込みが早いねっ!」


 シーナさん、相変わらず、ひどすー(酷いの最上級)。


「じゃ、じゃあ、それって、俺が、これから『神通具現化(ディバイン・フォース)』を使い過ぎたりすると、俺に気のある、身近の女の子からいろいろと『誘惑』されるってこと?」
「うん、そういうこと」
「そ、それって…………シーナ、お前も?」

 シーナは俺のその質問に顔を赤くして、

「バ、バカッ! そんなわけないだろっ! な、何でわたしがお前を誘惑しなきゃいけないんだ?! わ、わたしはお前の『指導者(ガイド)』なのだぞっ! 対象となるのは、わたし以外の女の子だ…………バカ」
「あ……そ、そう、わ、悪い、ハハッ」


 そんな質問をされてつい、『妹キャラ』から素のキャラに戻り、照れているシーナだったが、同時に、聞いた俺も何だか照れてしまった。


「とりあえず、お兄ちゃんは『神通具現化(ディバイン・フォース)』を使うときは、『六芒星』の光のチェックをして欲しいってこと。ただ、変な言い方になるけど、この『誘惑誘引(テンプテーション)』の力を恐れて、『神通具現化(ディバイン・フォース)』を使わないってことになると……それはそれで問題なの」
「えっ?」
「つまり、『許容量(キャパシティ)』は、お兄ちゃんが『神通具現化(ディバイン・フォース)』を何度も使っていく内に増えていくものだから、逆に言うと、『神通具現化(ディバイン・フォース)』を何度も使わないと『許容量(キャパシティ)』は増えないってことなの」
「そ、そうなの?」