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ラジオ人生相談

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「あなたの旦那さんのそれ、そんなの浮気じゃないですよ、浮気のうちに入らないですよ。 で、あんたはどうしたいの。 旦那がそのキャバクラの女にもう会わないようにさせたいの? でも別にその女はあんたの旦那と付き合ってるわけじゃないでしょ。また来てくださいってメール出すのは、あなた、それは向こうも商売だからで店として売り上げあげるためには客をつなぎとめとかなきゃなんないでしょ。だから女の子からメール出させるのよ。 別にそのメールの女があなたの旦那を好きだからじゃないのよ。 あなた旦那にそんなにお小遣いあげてないんでしょ。かわいそうにそんなお小遣いじゃろくに遊びにいけないんじゃない? それにあなたがのこのこ荷物まとめて実家のお兄さんの所に帰っていってごらんなさい、そりゃお兄さんからしたらかわいい妹だからすぐにでもって言ったんだろうけど、あっちの奥さんがどれだけ迷惑かよく考えてみなさいよ。あなたは別れたいわけじゃないんでしょ、旦那も子供はかわいがってるみたいだし、旦那だって家庭こわしたい訳じゃないだから。 とにかく、男はいつでも遊びたいものだし、そういう男の心理をあんたがわかってあげなくっちゃ。 今回のことはとりあえず見逃してあげなさい。 あなた家の中で暗い顔して旦那の帰りを待ってるんじゃない? 旦那に愚痴ばっかりこぼしてるんじゃない? 家では明るい妻になりなさい。 自分がおおきな気持ちになって、ちょっと飲みに行くくらいはしょうがないわねってゆるしてやりなさい。 家で文句ばっかり言ってる妻からは誰だって逃げ出したいわよ。 これから子供も大きくなってくるんだから、とにかく明るく、大きな心でね、がんばっていい家庭をつくっていくことだね。」


 結局あのラジオの先生がいってたのは、あの先生は、わたしが原因だっていうの? わたしひとりが我慢して、その上何もなかったみたいにあいつが帰ってくるのを馬鹿顔して明るく出迎えなきゃなんないっていうの? わたしが浮気されたのにすべて忘れろって? それですべてうまくいくって? 浮気されたって文句いうのがまるで世間知らずみたいに言いやがったあの先生、奥さんと子供がいるダンナを誘惑したキャバクラのオンナをかばいやがったあの先生、うちのダンナが遊ぶ金もないしょぼい男みたいにいいやがったあの先生、
あいつは外で発散して、いったいわたしはどこでぶちまけりゃいいんだよ、赤ん坊にぶちまけりゃいいのか? 
おまえが言わなきゃいけないのは、がんばってるわたしが悪いんじゃない、ダンナが一方的に悪い、ってことだろ
とにかく
わたしは
絶対に間違っていない。


  「悩みのない人なんていないわ、誰でもいろんな悩みを抱えて生きていると思うの。それをひとりで考え込んでいても、なかなか答えは見つからないものなの、それを誰かに聞いてもらって、いろいろな意見を聞いてみることで気持ちがほぐれるて、そのうちになにかが見つかるかもしれない。
起こってしまったことをくよくよ考えていてもなかなかそこから抜け出せないものだから、誰かに話してみて、いろいろな考え方を聞いてみるのも大切なの。
 大抵の人は自分自身の中でその悩みの答えを知ってる、ただそれに気づかないだけなの、私の仕事は相談者の人が自分自身の中に答えを見つけるお手伝いをしてあげること。私の回答に満足な人も不満な人もいると思うけど、あとはその人の人生だから、その人なりの選択をするしかないの。一生自分の中にある答えに気づかない人もいるし、気づいていても気づきたくなくて、そのままの人生を過ごす人もいるわ。人にはそれぞれの生き方があるからね、それがその人自身の決断ならば、それでいいと思う、それがその人が選んだ道だから。」


 どうしてもわたしがあなたに聞いてほしかったこと、それはわたしにとっては大切な、あのときのわたしの気持ち。
明るさでいっぱいになった、新しいわたしたちの部屋にはもういらない、あの時のさびしかったわたし。
それは、新しい毎日の中で、忘れてしまうように消えていってしまう、そんなあのときのわたしの気持ち。
そんな気持ちが大切だなんて、きっと笑われることなんだと思う、でも、わたしは忘れたくない。
今はわかる、
それは、あの写真がわたしには何よりも大切だっていうこと、
これだけはあなたにわかってほしかった。





作品名:ラジオ人生相談 作家名:MF