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ラジオ人生相談

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 ごめんねこんな時間にどうしてもあなたに話したいことがあって、そううちの旦那のことなんだけど最近なんかあやしかったっていうかたまに夜遅く帰ってきたりして仕事の付き合いとかいってるけどあんまり信じられない感じでまあこれっていうものもなかったからなんも言わなかったんだけど実はこの前こっそり見ちゃったんだよね携帯、旦那が風呂はいってる時に、そしたらやっぱりあったんだよオンナからのメール、なんか一日おきにきててアキでーす、この前はちょーたのしかったよ、とかこんどいつ店にきてくれるのーとか、バカじゃねーのなにがアキだよ、なんかキャバクラみたいな感じのところのオンナからみたいで、あいつ仕事の付き合いでなんていってたのに一日おきにメールくるなんてけっこう通ってるみたいで、それに最初のメールの日付みるとわたしが子供産むんで実家に帰ってた時期からだったりしてさ、昼間ラジオでよく人生相談とかやっててそれでいってたけど男は奥さんが妊娠中に浮気する率が高いって、それ聞いてた時にはそれほどなんにも感じなかったけどたしかに最近家帰ってきてもろくに話もしないし疲れてるのはわかるんだけど休みの日くらい子供の面倒みてくれたっていいじゃん、自分は家から出て気晴らし出来るんだしわたしに家のこと全部押し付けて自分はなんにもしないわけなんだから、それにあいつこの頃あんまり求めてこないし仕事で疲れて眠いのはわかるしわたしだって子供の世話で忙しいからそんな気になんのは最近少なくなったけどさ、前はあいつ毎晩求めてきたのに今は一緒に寝てるだけでもうこっち向きたくないみたいっつーか、ほんと子供できてから愛情っていうのが感じられないっていうかまあ子供はかわいいみたいでちょっとはかまってくれるけど家かえってきてもつまんなそうな雰囲気出してて疲れてんのはわかんだけどわたしが子供のこととか家のこととか聞いて欲しいのに全然聞く気ないっていうか、すぐやな顔してちょっとも聞きたくないみたいでわたしが子供と家の事全部やってんだから少しは愚痴聞いてくれたっていいわけでしょそれにひとが子供産むんで死ぬほどんときに自分はそんなとこ行ってオンナと会うなんて信じらんなくて、とにかくそのメール見つけてから言おうかどうしようか迷ったんだけどこっちも勝手に携帯見たっていうのもあったしでもどうしても言いたくて次の日旦那が会社から帰ってきてすぐ問いつめやったのメールのこと、そしたら案の定あいつ勝手に携帯見たことに文句言いはじめて、プライベートな事だからとかなんとかいってて確かに勝手にみたのは悪いけどいけない事してるのはそっちなんだからさ、そしたらやっぱりキャバクラのオンナからのメールだってさ、はじめなんかごまかそうとしてたけどあいつそうとう焦ってて言い訳見つかんなかったみたいで、そこは初め仕事の仲間といった店でそのあとたまに行くようになっただけだって、ただの気晴らしにいってるだけだっていうんだよ、お前がそんなとこまで詮索するなっていうんだよ、別に詮索ってただ聞いただけなのにそんなふうにいうなんてって思ったけど、お前がそういうふうに俺の生活を束縛するから、だからそういう店にいって気晴らしをしなきゃいけなくなるんだとかいっちゃって、そんなこっちが悪いみたいに言われてもだってわたしはただこのメールのオンナとの事が聞きたかったのに、肝心の事が反対にわたしが責められることになっちゃって、そんなこと言い張ってる旦那みてたらなんかダルくなってきちゃって、それまで言いたかった事とか、メールの事だけじゃなくてさ、聞いてほしかった事とかがなんかわたしの中からすっぽり抜けちゃったみたいになって、なんも何も言い返す気もなくなって、それでその晩はなんかこっちが引いたみたいな感じでおわったんだけども、あれからあんまりあいつとちゃんと話さなくなったっていうか、普通の話しててもどっかで、裏切られた、ってことが頭からはなれなくて、お互いのケータイに貼ってある同じプリクラ、前に子供と3人で撮ったやつなんだけど、よっぽど引き剥がしてやろうかと思ったんだけど子供も一緒に写ってるしそれも出来なくて、とにかく子供子供って思ってわたしだけのこの子になるべくあいつを近よらせないようにしてみたりして、でも頭の中では何度も何度もあの晩あいつのいった事を思い返してたりして、このままあのひとに反論できないままいつかまたなんでもなかったように今までみたいな生活に戻っちゃうのかもって思うとすごいむかついてきて、あいつが正しいわけじゃないのにさ、なんでわたしのほうががまんしなきゃなんないのかっていう、そこが納得いかないじゃん、かといってこのままじゃどうしようもないから、だれかに相談っていっても旦那に浮気されたなんてかっこわるくて友達には話せないし、かといってこのままあいつをのさばらしとくのも許せないし、それでいままであんまり家族に相談なんてしたことなかったけど実家の兄さんに話してみることにしたんだけど、兄さんは実家に子供産みに帰ってるときにわたしがいかに大変だったか知ってるから事情を話すと一度家に帰ってこいって、男はそういう気になる時があるものだから、実家に帰ってきて少しあいつの頭を冷やしたほうがいいって、こっちのことは心配ないからいつでも帰ってきていいって言ってくれて、その時はそのまますぐに子供と一緒に荷物まとめて帰ってやれって思ったんだけど、でもこの家出るってちょっとどうかなーっていうのもあって、もしかするとこの前浮気のこといってたあのラジオの人生相談だったらなんて言うんだろーって考えてみたりもしてみたり、だって実家帰んのもいいけどそのあとあいつが自分が悪かったって言いながら、オンナとはもう切れたからって言いながら実家に土下座しにあやまりにくるかなって、そんな事ありえないような気がするし、結局少ししたらこのまま、わたしからこの家に帰ってくる事になって、そしたらまだわたし納得しないままあいつもあやまったりしないままでもとの生活に戻ってっちゃうんじゃないかなってそれってまだ全然うやむやなままじゃん、って考えるとやっぱりあの人生相談はなんかすっきりするようなこと言ってくれるんじゃないかって、このままわたしが泣き寝入りしなくてもいいような事言ってくれるんじゃないかなって思って、次の日番組聞いて電話番号メモしといたんだよね。

作品名:ラジオ人生相談 作家名:MF