小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ゾディアック 8

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 

誰かの背中に摑り、風になって
 
「スーと行くよ」彼は転生の度、私にそう言った。 

目覚めるといつも、まだ 空の上を飛んでいるような
甘美な幸せが 胸の奥からフワフワと浮いていた。
今もずっと消えない・・ 

彼はサラクエル
私のツインソウル
古代ミスラトの時代、最初の転生からずっと共にいる。


ボクハ キミノヒトミニ タイヨウヲ ミタ
ソノカガヤキハ イマデモ アルヨ


胸に、呼だまし聞こえる
魂の約束

第二、第三チャクラは 授容の愛と自己アイデンティティの確立を促す。
インカネーショナルスター 魂の座
太陽神経叢


「 昔女の子がいたの・・ その子は怯える事を教えられて育った
太陽は怖いものだと、太陽は敵でいつか太陽に傷つけられると
だから晴れた日に外で遊ぶのを怖がったとしても
その子のせいじゃない・・ 人は変わることなどできないわ 」


最期の断末魔、肉体と意識に焼き付けられたマインドは
時を超え・・ 来世に持ち越される カルマとなる


ヒトハ カワルコトナド デキナイワ


キリキリと激しく痛み、鳩尾が真っ黒に焼け焦げて行くのを感じた。

また声がした・・


「 僕らはお互いを分かりすぎていた
初めて出逢った瞬間から
その後の出来事は もうどうでもいい・・
すべて過去だ 何もなかったと同じ 僕の遠い記憶だけだ 」

魂の記憶

カルマを超え 私達の中に眠る統合を目指す
何百回、何千回、何万回・・

輪廻という時を回し
ダルマに向かって起動し始める
ゾディアック
同じ宇宙に 同じ時間はない 

永遠の今、風に吹かれながら  
時は やって来る
運命の輪舞・・

激しいカルマの業火の中で、そっと目を開くと
側に天使が立っていた。

「 サラクエル・・ 」


~ 61 ~

ゴフッ・・ ボタボタ・・
真っ黒な血反吐が床に落ちた。

押さえた腹の左手を放すと、鳩尾の辺りから
黒く焼けながら、私の腕や身体は煉獄の炎に包まれていった。
周りには凄まじい阿鼻叫喚がこだましていた。

サラクエルは、私の足元を指差した。
黒い炎の中に、ポウッと・・ 光る3枚の絵が浮かび上がった。
陰の聖獣像だったリオが シャロンにやって来た日、私に見せたカードだ。

森へ続く道の途中、古風な服装の男女が立ち 森の中にある家を見ている。 
ノスタルジックな雰囲気のカード、カップの6

「 これは過去世を表します。過去から受け継いで来た者達との約束、カルマの清算、
因果を乗り越え再びバランスを取り戻す時が来ています 」
あの時のリオの言葉が蘇った。

2枚目のカードは、輝く星の下、跪いた1人の女が 両手に杯を持ち
魂の泉と大地の肉体に惜しみなく命の水を注いでいる、カードⅩⅧ 星。
シャロンのラムカと初めて会った時、幻視でルシフェルがしていた姿と同じ絵

「“星”は無償の愛や与え続けることの意味を示唆しています。
シリウス・運命とも呼ばれ・・ それはあなたの運命。
先が見えなくても自然の流れ・方向性に従って下さい 」

「 昔の約束・・ 光を取り戻す。星を目指して・・か 」私は血を拭いながら
壁に寄り掛かると、目を閉じニヤリとして呟いた。 

最後のカードは、黄金の翼の天使が2つの杯を持ち 杯から杯へ生命の水を移し替えながら、
片方の足は大地に 片方の足は清流の中に漬けていた。
ⅩⅣ守護天使のカード

「 人生の重大な局面を迎えています。どんな危険や不安にさらされても、
彼らはやって来てあなたを助け護るでしょう。白い光に身を包み高次だけを相手にして下さい。
これからは、人ではなく アセンデットだけを相手にして 」

ヒトデハナク アセンデットダケヲ ・・

リオの声が、耳に魂霊していた。


ドックン‥

胸に手を当てると、自分の心臓の音を感じた。

ドックン‥ ドックン・・
ドックン‥ ドックン・・ ドックン・・

鼓動が、規則正しく脈打っていた。

「 ここから・・ 」
私は呟いて目を開けると、サラクエルの姿は闇に掻き消えて行った。
そして暗黒の炎の中に、フワ・・ と白く輝く一枚の羽根が落ちて来た。
掌で受け止めると、それは羽根ではなく、一片の白い花びらだった。

「 桜・・ 」
作品名:ゾディアック 8 作家名:sakura