ログダム
「させない!レグランス・アロー!」
裕子がレットを放つ。
金色の槍が道芝の頭上に出現し、行く手を阻む。
「くそ!この技は……!」
道芝が後退する。
そして、道芝がいた場所に磁場が発生する。
「……3年でも発生が難しいとされる、レグランス・アロー。それをあんなにたくさん……」
クライスが感嘆する。
「感謝するぜ、裕子」
集中しているのか、目を瞑っている久留米。
マグネを共有すると、メリットが発生するが、もちろんデメリットも発生する。
常に神経を共有する対象者に向けなければならないので、無防備のようになる。
「はっ!」
久留米のもつ杖のようなものに刀を振る。
「気付きましたか……でも」
しかし、久留米が目を開ける。
ガシッと足を掴まれる。
「配置レットか!」
どうやら、道芝に対するマグネを咄嗟に自分に置き換えたようだ。
ウィッチ・フィールド。それがこのレットの名だ。
配置した場所から一定の範囲内に足を踏み入れると所構わず捕まえる。
「サンダー・フレア!」
咄嗟に刀で受け止めようとする。
が、爆風で吹き飛ばされる。
「ぐっ……!」
そして、倒れた俺の目の前に、道芝が立つ。
「チェック・メイト、だな」
「はは……、完敗です」
こうして、俺の初めての模擬戦は敗北で終わった。