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ゾディアック 6

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~ 41 ~

ドーーーーン!閃光と共に 未曾有の衝撃波が、青い地球を覆った。 
43億2000万光年の時の彼方から
赤い大地にスピリットが降り立った。

白い光のトルネードは、地中深くコアにグリットし
生命体に入ったスピリットは、徐々に振動数を落としていった。

ドックン!ドックン!ドックン!・・ 鼓動が時を刻み始める
細胞深くDNA RNAに入り込み、生命に新たな光をもたらした
次元上昇へ、意識進化の道程は始まった
人の誕生

次元の狭間で、朱色に揺らめく時空から 杖を大地に打ち鳴らす者がいた。
シャン!・・ シャン!・・ シャン!・・

その音色は 血肉・・ 骨・・ 細胞・・ 隅々にまで響き渡り、地中深くに浸透していった。
オークの杖を打ち下ろす度、銀色の長い髪が 光る風に煌めく
ナディアを奏でる 彼の名は
ヨフィエル「 美しい者 」を意味する
これから始まる 遠い血の道程を差し示し、統合への新たな旅立を見送った天使。

「 One of all ・・ All of one ・・
互いが・・ 互いを頼りに、還る 」

人類 人間歴の始まりだった。
ドックン!・・ ドックン!・・ ドックン!・・ 波打つ鼓動
ゴーーーーー!!血の川が流れ
幾何学の螺旋模様が絡み合いながら、樹木の枝のように伸びて行った
激しい轟音と共に、ゴボゴボゴボ・・ 私は激流に飲み込まれて行った。
ギャアアアアアーーー・・・ 甲高い悲鳴のような耳鳴りが聞こえる

「 疲れた・・ このまま、深い眠りにつけたら 」
気が遠くなりかけた時、誰かにいきなり腕を掴まれ、引き上げられた。
ゴボゴボゴボ・・
気が付くと、大きな石の神殿の前にいた。

「 エジプト?・・ 違う 」中に入ると、松明の炎が見えた。
ドンドコ!ドンドコ!激しく太鼓を打ち鳴らす音が聞こえ、半裸の人間達が踊っていた。
「 あれは・・ 何? 」

炎の光に照らし出され、大きな石像が左右に2体浮かんで見えた。
頭は猫の形で 大きな翼を持ち、手足は長く人間の姿をした
半身半獣の巨大な石像が立っていた。

「 ミルラの前世 」数十メートルもある その巨大な聖獣像は、今私が触っている
この小さな身体から発されるエネルギー体と同じだった。

「 そうだ!!私は 今シャロンで、ミルラにホットストーンセラピーをしていたんだ!
これは・・ 全部幻視だ!! 」私は自分の手を見つめた。

青い光がフラッシュバックし、全が掻き消えていった
私はミルラの背中を石で流していた。
顔を上げると、静まり返った鏡窓に 自分の姿が映っている

コチコチコチ・・ 何事も無かったかのように、時計は30分を過ぎていた。
何千年も人間歴の時を遡り、アトランティスまで行ったというのに・・

「 お疲れ様でした・・ 」私はミルラに声をかけた。小さな身体は起き上がり
「 眠っていました、何か夢を見ていたような・・ 」と言った。
「 大丈夫、タロッシュで教えてくれます 」私は言った。
そして少し躊躇ったが、思い切って聞いてみた。

「 ミルラさんは・・ 人間じゃないんですね? 」ああ、怒る・・ と後悔した瞬間
「 あはは・・ やぱっりですか 」と言った。私は耳を疑った。
自分でも気付いてるんだ。意識が知らなくても、何となく解っている。

「 ミルラさんは、宇宙の次元と次元を繋ぐポータルです。 前世 大きな猫の石像で祀られてました 」私は言った。
「 ああ・・ 銀河の星が見えたのは、そのせいですか・・ 」ミルラは普通に答えた。
こんな会話はありえない!私の概念がグルグルと騒ぎはじめた。

「 その小さな身体は、銀河エネルギーと同じです。アトランティスの時代は・・ 」そう言いかけた時、強い視線を感じた
「 いえ・・ では次はタロッシュへどうぞ 」私は言うのを止めた。
窓の外に 青い鳥がとまっているのが見えた。



~ 42 ~


永遠が光の中で踊っている
時の狭間に
眠りから覚め微笑む

あなたは一体 誰なのか
そして私は 何故
私であり続けるのか

アイに抱かれ 語る風の歌を
時の揺りかごに 消え往きながら

あなたは 何処なのか
そして私は 何処へ
進み続けるのか 


鏡窓の奥の・・ 視線が消えた。
「 お疲れ様でした 」綺麗な花が添えられた お茶とお菓子の乗ったトレーを持って、ラムカが現れた。
「 タッチセラピーは 如何でしたか? 」
「 ああ、とても気持ち良くて・・ 眠ってました 」ミルラは 小さな声で言った。
カーテンの影から、ラムカとミルラのやり取りを聞きながら・・
別のざわめき声が聞こえて来た。

サワサワ・・ サワサワ・・

ニンゲンジャナイ? ソンナバカナ・・
アリエナイ・・ ウチュウエネルギーダト?
バカゲテル
ニンゲンジャナイ? ソンナバカナ・・
アリエナイ・・

ざわめき声は 同じ言葉を繰り返していた。
三次元集合意識・・ 概念は分からないを嫌う。
キーーーン・・ 耳鳴りがした。

「 では、カードを繰って・・ 6枚出して下さい 」
シャッシャッ・・ カードを繰る音がして、パタパタ・・並べる音がした。
私は、カーテンの陰で自分の映った鏡窓を見つめていた。

「 ⅩⅡ吊るされた男、ⅩⅩ審判、火の8、大地のエース、Ⅰ魔術師、火の6 」ラムカの声がした。
「 過去に・・ 何か試練がありましたか? 」
「 いいえ・・ 別に何も 」ミルラが答えた。

サワサワ・・ サワサワ・・
ざわめき声がして黒い影が、カーテンの隙間から流れ込んで来た。


「 ああ、そういえば 仕事でワンランク上の資格試験を受けました 」
「 そう・・ それで現在、地位が更新され 良い結果が出た事が示されてます 」
ラムカはホッとしたように言った。
こちら側に流れ込み、覆われて来た黒い影は だんだん小さくなった

鏡窓に映った私の身体の後ろから、白い銀河が広がるのが見えた
思わず 後ろを振り向いたが、何も見えない
窓の外に 先程の青い鳥がまだ、留まっているのが見えた

私はまた鏡窓の方を見た。今までと明らかに何か違っている・・
鏡の中の宇宙が・・ 次元がこちら側に移っていた。
「 ポータルが開いた・・ さっきミルラのエネルギーに触れたから? 」

「 はい、確かに 試験に受かりました 」ミルラの声がした。
「 近い将来・・ 火の8、8人の小人が松明を持ち寄り 1つの大きな炎に燃やしています。
これは さっきソフィアさんが出したカードと同じです。今日は皆 同じカードをよく出すわ 」ラムカが言った。
「 ソフィア?・・夢で見た 青い鳥 」ミルラが小声で呟いたが、ラムカには聞こえなかったようだ。

「 活動性やパワーを示します。これからは、決まったやり方で成果を求めるよりも、
軽く自由な発想の転換でパワーを発揮し、まったく想像を超えた成果が得られるという暗示です。
あなたのパワーを燃やすことで、さらに軽く自由な、新たな質へと変容させるようです 」ラムカは続けた。
「 軽くて自由な・・ 半物質半エネルギー体。 アトランティスの意識次元だ 」私は心の中で呟いた。
作品名:ゾディアック 6 作家名:sakura