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かざぐるま
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novelistID. 45528
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欲望の方舟 ~選ばれしモノたち~

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 光を歪めてうごめく、多数のカメレオンにたかられているが、まあ死ぬことはないだろう。竜崎の焦り方から見るに、きっとまだ高圧電流が流れる仕様だと思っているのだろう。
「残念ながら、俺にはどうすることもできない。しばらくそうしてるんだな」
 俺は銃を腰に差すと、もがいてる竜崎を置いて颯太の行方を追った。
 メインフレーム室に戻ると颯太は戻っていた。ひとつの端末の前に座り画面を見ている。
「颯太、大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。竜崎さんはあの通り拘束しました。あとでエターナルの警備員に引き渡します。施設のシステムも正常に動いています」
「良かった。愛里を見つけたぞ。三人で一緒に出よう」
「そうですね、後でまた戻ってきて、システムを改良しないとならないですけどね。ていうか先輩、どうしましょう? ……僕、絶対太田さんに怒られますよー。勝手に施設に突入しちゃったんですから。しかも無断欠勤」
 颯太は頭を抱えた。
「ははは! 大丈夫だよ。俺が一緒に謝ってやるから」
 その様子が可笑しくて笑わずにはいられなかった。誰にも出来ない凄いことをやってのけたのに、そんなことで悩むなんてコイツの頭の中身はどうなっているんだと可笑しくて仕方なかった。
 そのとき下りエレベーターで降りて来たのか、女性が一人部屋に飛び込んで来た。
「おお、美奈ちゃん! 久しぶりだね」
 俺は元気よく手を挙げた。
 しかし彼女は俺を素通りし、まっすぐ颯太に向かって走りそのまま抱き着いた。颯太は戸惑っていたが、すぐにきつく抱き返していた。
 目があった颯太が、美奈の肩越しにピースサインをこちらに送っている。
「ほー、美奈ちゃんも掌握完了しましたってか」
 挙げた手をそのままに、俺はぼそっとつぶやいた。