ジャックさんと遊ぼう!
とまあ、誰ともなしに説教臭いことを言う。静かな夜に散歩なんてしていると、なんともなしにポエミーな気分になってしまうのだ。
コンビニでプリンとテキトーに食べ物飲み物を補充して、帰路につく。
深夜の毒気に当てられて、ジャックさんと二人で遊ぶ。それはなんでか、すごく楽しかった。
その後、ネットに広がり始めた噂がある。まあ、この場合の展開はアレだ。この先の展開を読まれていようが、それはもう様式美なので仕方ないというべきだ。
――その怪談の名は、幽霊と遊ぶ女。霊感があったが故に迫害された女であり、出会ったら殺されて一緒に連れて行かれてしまうとかなんとか。
そしてこの話を聞いたらその女が聞いた者の元に現れ、この話を他の人に話せばその女はその者の許に行くとかなんとか。もう尾ひれ背びれ胸びれ色々付きまくってその辺の都市伝説とそんなに変わらなくなってしまっている。
私は、その原因に目をやる。
「う、うらめしや……」
ジャックさんは今日も、交通事故のニュースをけらけらと笑いながら見ている。
作品名:ジャックさんと遊ぼう! 作家名:最中の中