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でんでろ3
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口は幸いのもと〈第5話 異能の敵〉

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「いい気になるな! 今度は、こっちの攻撃を受けてみろ」
ゆーたが、叫んだのを聞いて、黒マントは、不敵に笑った。
「その手にも、かからねぇぜ。俺には、これがある」
黒マントが取り出したのは、長さ5センチほどのモコモコとフチをを丸く切られた緑のフェルトの葉っぱ。恐らく「ことは」という文字が切り抜いてある。あの美少女が残していったのと同じもの。
「ルール一部改変、母音だけは2文字以上続けて発言できる」
黒マントは、自慢げに宣言した。
「こうしねぇと『空間』って、言えねぇからな。へへっ、さぁ、来な!」
「ちっくしょー。行け! ヴィントホーゼ・リントヴルム」
「体当たりよ!」
まーこが、最後の笛を吹いた。
ヴィントホーゼ・リントヴルムが黒マントに迫る。
余裕の表情で、わざとヴィントホーゼ・リントヴルムを引き付ける黒マント。
まさに攻撃が当たる、その、一瞬前に、黒マントが口を開いた。
「空間てに」
黒マントから、すぐには、余裕の表情は消えなかった。自分が、しくじっていることに気づいていないようだった。しかし、すぐに、慌てて、
「えっ? あ? いや、空間てに、空間てに……。あ、そうか。『空間てに』って言うには、k・u・u・k・a・n・t・e・n・n・iってnを2つ続けないと……グワーッ」
黒マントは、ヴィントホーゼ・リントヴルムに巻き込まれ、何度もきりもみ回転したのち、床に叩き付けられた。

「さて、後は、こいつを締め上げて、ゆーこの居場所を聞き出して……」
「ついでに、ことはって女のことも聞けるといいわね」
ゆーたと、まーこが言っていると、
「あら、それは、困るわね」
凛とした声が聞こえてきた。振り向くと、50メートルほど離れたところに、あのことはという少女がいた。
「だから、人質交換と行きませんか?」
ことはが、スッと少し斜め上を指差した。指差した先にはゆーこがいた。商品陳列棚の一番上で眠っているようだった。
「あら、いやだ。落ちてしまいそう」
ことはの言うとおり、今にも、落ちそうだ。ゆーたと、まーこは、全力ダッシュで棚の下に駈けて行った。2人が着くのと、ゆーこが落ちてきたのが、ほぼ同時。何とか、間に合った。
 しかし、我に返って、振り返ると、ことはも黒マントも、すでに姿を消していた。