Bhikkhugatika
時事通
時事問題や流行ばかりをまくし立てる人々。彼らは事が起こり、多くの人がそれについて論じ始めると、唐突にその専門家かつ当事者となるが、ほかの人が論じるのをやめると、つけていた被り物を脱ぎ捨てて、つぎに被るぬいぐるみを探して他人の様子をうかがう。彼らは、そのことが起こる以前に、無名の個人が、経済学や顕示欲などの恣意性による汚染の半減期が充分に過ぎたことを慎重に確認して、その問題の根本的な部分を示した数百年前の人物を紹介しているのを見ても、取り合わない。多くの人が取り上げないのは重要ではないからに相違ないし、そのような時代の人物が、自分たちの世界と強く結びつくことなどありえないという、素朴な信仰からである。
彼らは嘆き悲しむ人がいると聞くと、椅子に座ってコンピュータに向かい、それについて言っている他人の言辞を探してはリツイートやシェアをし、これで自分にできることはしたと満足し、その人々のことを忘れる。その人々の苦悩の原因を探求する前に、次の時事問題や流行を探すからであり、彼らにとってそれは他人のことに過ぎないからである。
そしていざ自らが災難に遭ったときには、彼らは自らが嫌悪していたはずの次のようなことを言ってしまい、ようやく驚くのだ。
「数字がいるんです。ただ数字だけが!どうして分かってくれないんです…身の上話はいいんです。ただ数字だけがいるんです。何人死んだか、何人負傷したか、動産不動産の被害は…」
作品名:Bhikkhugatika 作家名:RamaneyyaAsu