本当にあったゾッとする話8 -もう一人の自分-
学生時代、つきあっていた女の子とよくデートをした。
デートの場所は、新宿が一番多かったと思う。その理由は、私が通っていた大学と彼女が通っていた大学の中間が、およそ新宿だったということで、お互いの活動範囲が重なる場所だったからだ。
ある日、新宿の地下道を彼女と並んで歩いていたときのことだ。
後ろから早足で歩いて来た若い男が、追い抜きざまに突然振り返って素早くカメラを構えたかと思うと、いきなりシャッターを押して、走り去った。
あっと言う間の出来事で、私も彼女もストロボの光に目が眩んで、何が起こったのかすぐには把握できず、走り去る若い男を茫然と見送った。
若い男というだけで、その顔も服装も記憶に残らなかった。
それから数か月経った頃。
同じ新宿の地下道を、別の彼女と歩いていた。地上に上がろうとして手近な階段を上ったところ、地上への出口にシャッターが下りていて、外に出ることができなかった。
仕方なく私たちが地下道に戻ろうと体の向きを変えたときのことだった。
階段下に現れた若い男が、いきなりシャッター音とともにストロボを光らせた。若い男の姿は、すぐに階段下から消え、私たちが階段を降り切ったときには、既に影も形も無かった。
今度も若い男というだけで、相手の背格好すらまったくわからず、1回目のときと同一人物かどうかわかなかった。
2回とも予めカメラの用意をしていたことや、一瞬のシャッターチャンスを利用していることなど、最初から計画されていたことのように思えた。
2回撮影されたが、それぞれ一緒にいた彼女は別の女性だった。と言うことは、狙われたのは彼女ではなく、私だったのだろう。
しかし、写真を撮られた理由がまったくわからなかった。
その後、私の写真が何かに利用された形跡もない。(私が気付いていなかっただけかも知れないが)
今でも私にとって、あの経験は謎のままになっている。
デートの場所は、新宿が一番多かったと思う。その理由は、私が通っていた大学と彼女が通っていた大学の中間が、およそ新宿だったということで、お互いの活動範囲が重なる場所だったからだ。
ある日、新宿の地下道を彼女と並んで歩いていたときのことだ。
後ろから早足で歩いて来た若い男が、追い抜きざまに突然振り返って素早くカメラを構えたかと思うと、いきなりシャッターを押して、走り去った。
あっと言う間の出来事で、私も彼女もストロボの光に目が眩んで、何が起こったのかすぐには把握できず、走り去る若い男を茫然と見送った。
若い男というだけで、その顔も服装も記憶に残らなかった。
それから数か月経った頃。
同じ新宿の地下道を、別の彼女と歩いていた。地上に上がろうとして手近な階段を上ったところ、地上への出口にシャッターが下りていて、外に出ることができなかった。
仕方なく私たちが地下道に戻ろうと体の向きを変えたときのことだった。
階段下に現れた若い男が、いきなりシャッター音とともにストロボを光らせた。若い男の姿は、すぐに階段下から消え、私たちが階段を降り切ったときには、既に影も形も無かった。
今度も若い男というだけで、相手の背格好すらまったくわからず、1回目のときと同一人物かどうかわかなかった。
2回とも予めカメラの用意をしていたことや、一瞬のシャッターチャンスを利用していることなど、最初から計画されていたことのように思えた。
2回撮影されたが、それぞれ一緒にいた彼女は別の女性だった。と言うことは、狙われたのは彼女ではなく、私だったのだろう。
しかし、写真を撮られた理由がまったくわからなかった。
その後、私の写真が何かに利用された形跡もない。(私が気付いていなかっただけかも知れないが)
今でも私にとって、あの経験は謎のままになっている。
作品名:本当にあったゾッとする話8 -もう一人の自分- 作家名:sirius2014