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覇王伝__蒼剣の舞い1

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 四獣聖___、四国最高にして覇王親衛隊。
 四国統一時、覇王と共に戦った三人の武将を元にその後結成された四人である。
 本来は、覇王を護衛する為に結成されたが、覇王家崩壊と共にその意味は変化する。
 護る主を失い、更に仕えていた覇王家崩壊と四国の混乱が、四獣聖を変えたと云うべきか。国の混乱を鎮め、悪しき者から民を護る。覇王の意志を受け継いで、彼らは外の世界に打って出た。
 蒼国の人々に、すっかり英雄として語られる彼らの活躍の中で、最も新しい記憶は七年前の蒼国誕生だろう。
 「何と言っても、蒼国建国の立役者ですから」
 「そんなに凄いですか?」
 「拓海さん、ご存じないんですか?お父上活躍されたのに」
 「僕、未だ10歳でしたし、蒼国領内にはいませんでしたから」
 「ああ、確かアロルと云う街で育ったんでしたね」
 尚武が紅茶を拓海の前に置きながら、にっこりと嗤う。
 そのアロルは、今は黒抄領にある。
 蒼国・王都からさほど遠くない街だが、四国分裂時に黒抄が領土拡大の為に身の危険を感じた狼靖が拓海を連れ出したのはつい一月前の事だ。
 その拓海も、今は蒼国王城で雑用に従事しながら玄武候補として剣を学んでいる。
 「でも、一番活躍されたのは清雅さまでしょうね」
 「尚武さん、やっぱり本当の事を云うべきです」
 「憧れだけでは四獣聖にはなれない__と、ですか?」
 以前の拓海も、そうだった。
 四獣聖に憧れ、剣を学び、四獣聖になりたいと。動機は、リョウ・オンと変わらない。
 しかし、それだけでは駄目なのだ。それだけでは。
 しかも、リョウ・オンがなりたがっていたのは___。