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偶像の愛

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 作品整理


伝えたいこと
・愛に寿命はあるのか

流れ
・ある時代に晴美(はーちゃん)と恵理(えりちゃん)が存在していて、晴美は恵理に対してほのかな恋心を抱いていた。しかし黙っていた。
・高校を卒業し、あまり会えなくなったが晴美は思い続けていた。が、その数年後に恵理は結婚。晴美はもちろん祝福したが、それでもまだ好きだった。
・結婚して数年経ったとき、恵理は不慮の事故でこの世を去る。
・晴美はあまりの悲しさに、自分の今までの思いの矛先を作るために、仕事を通じて恵理に似せたアンドロイドを作ろうとする。しかしまだ発展が進んでいなかったため、体に影響がある物質とわかっていながらも、それを使って地下のシェルターでアンドロイドを作ろうとする。その結果、遺伝子に変化が起こり、不老(死ぬことはできる)になってしまう。
・しかし晴美はその自分の体を利用して、何年も何十年も地下のシェルターで作り続ける。新しい部品や物質、アンドロイドの成功報告などがあればすぐに取り寄せ、試してみたりしていた。そうして何度も何度も作っているうちにとうとう出来上がる。
・晴美は今まで大切にしていた恵理との思い出をアンドロイドに移し、そして今までの思いを報いたいがために自分を好きでいるという設定をする。
・久しぶりに地上に上がった晴美は、今の現状に愕然とする。戦争、流行病、自然災害。そんなものたちに世界は壊されていき、人がだんだんと死んでいった。晴美は絶望し、地下のシェルターにこもって、何年かはアンドロイドと一緒に暮らした。
・地上が落ち着いた時には、もう人間は死んでいて、晴美は悲しみながらもアンドロイドを恵理として、アンドロイドも恵理として生き始める。
・本当に長い長い時間が過ぎ、晴美の愛よりもガタがきたのは、アンドロイドの部品だった。少しずつおかしくなっていき、記憶も、動作もくるってきていた。晴美は研究者ではあったが、部品を作ることや直すことはできない。できていた人間はもういない。やっぱりこの思いは報われることはないのだろうと気づいてしまった晴美は、もう寿命が近いアンドロイドを置いて自殺する。不老の愛なんてものは存在しない。そう思い残して。
・残されたアンドロイドは自分がおかしくなっていくのを感じ、最後は自分が博士によって設定されていた機械だったことを思い出す。そして警告音とともにアンドロイドも役目を終える。
・永遠の愛なんていうものはない。人間が思い続けるにしろ、結局は何かによってそれは途絶える。寿命であったり、事故であったり、気まぐれであったり。愛は長くは続かない。
作品名:偶像の愛 作家名:べす