漢字一文字の旅 第三巻
十四の二 【葡】
「葡萄」(ぶどう)の【葡】。
落葉のつる性植物、中央アジアが原産。
果物「ぶどう」は古代ペルシャ語で「budaw」(ブーダウ)。
これに呉音(ブ)の【葡】と呉音(ドウ)の「葡」が当てられた。
そして日本の山野には古来より山葡萄がある。
この山葡萄、なかなかのくせ者、なかなか言うことを聞かない果実なのだ。
今年は暑い夏で甘いはず。
去年この木の実は甘かった。
今年は肥料をまいてやった、だから美味であるはず。
こんな期待をことごとく裏切るのが山葡萄。
要は、山葡萄の味は自然条件や人の頑張りとはまったく因果関係が成立しない。実に生意気で不可解な果実なのだ。
その上に、1粒1粒の味が異なり、まったくわからない。口に入れてみないとわからない。
とにかく神懸かってるとしか言いようがないのだ。
これって、小説に近いですよね。
要は読んでみないとわからない。
一応自称小説家としては、どことなくこんな山葡萄に似ていて、好きになり、今年は山葡萄のワイン、買ってみようかな。
てなてなことを考えてます。
参考に
この山葡萄が気に入り、
味わってみないとわからないというキャッチフレーズで、
「33粒のやまぶどう」という短編物語集を編んでみました。
興味ある方はこちらから、どうぞ。
http://novelist.jp/75454.html
作品名:漢字一文字の旅 第三巻 作家名:鮎風 遊