漢字一文字の旅 第三巻
十二の一 【羊】
【羊】は象形、ヒツジを正面から見た形だとか。
うーん、確かに角がある。
そして「美」という漢字、ヒツジを角から後ろ足までを見た形だそうな。
そっかぁ、「美」は【羊】の全体像なんだ!
そう言えば、美人は【羊】みたいな人ばかり、と思えてくるから不思議だ。
こんな解釈って、どやさ! と声を上げられる、ちょっと【熟羊】の方もおられるかと思いますが……、
あくまでも鮎風の勝手思考ですので、ご容赦を。
さてさて、十二支(じゅうにし)は
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い
2015年の干支は【羊】。しかし、「未」と書く。
なぜ?
となるが、無知な庶民が十二支を覚えるために、「未」に動物のヒツジを当てたとか、と言われてる。
しかし、本当のところ、よくわからないのだ。
そもそも「未」という字は象形で、枝が茂ってる木の形だそうな。
だが、そこには熟した果実はない。
そのようなことから「いまだ」の意になった。
こんなくだらない思考に脳が興奮し、
眠れね夜は、一匹二匹三匹……、柵を跳び越える【羊】を数える。そして1000匹ほど数えれば、もうクタクタ、結局疲れて眠りに落ちる。
世間では未辛抱(ひつじしんぼう)と言われ、まさに辛抱の年。要は【羊】の数を数えるような年なのかも知れないなあ。
しかし、これじゃやってられない。
一方で、未年は変化が始まる年だ、とも言われてる。
だから、1000匹の【羊】を数えた後には、光り輝く朝が来る、と信じることにしましょう。
追記です。
多分【羊】(ヒツジ)と「山羊」(ヤギ)の違いがわからない方もおられますよね。
この際、ハッキリさせましょう。
鮎風の動物学分類では……、
1万円札を食べて、ウメェーと鳴く、不届きなヤツが「山羊」(ヤギ)。
そして、1万円札に見向きもせず、野っ原の草しか食べない偏食野郎が――【羊】(ヒツジ)です。
ご参考に。
作品名:漢字一文字の旅 第三巻 作家名:鮎風 遊