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漢字一文字の旅  第三巻

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六の四  【札】



【札】、右部は木を薄く削った形、そこに木偏が付いて、木のふだの意味になったとか。
薄く細長い木の札は木簡、そこに文字を書き、何度も削り使用された。
それが今は「挨拶より円札」ということで、お金のお札。

このような【札】、ここぞという時に使うのが「切り札」。

理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーは論文を改ざん、捏造と疑われ、その謝罪/反論会見を開き訴えた。
STAP(スタップ)細胞はありま〜す! と。
さらに、「作成するためのたくさんのコツや、ある種のレシピのようなものが存在するので、それは、新たな研究論文として発表したいと思います」とも説明した。
こういうレシピを専門用語で「プロトコール」(protocol)と呼ばれ、複数の者が確実に実行するための手順書となる。

ならば早くそれを公開し、スタップ細胞を作成してください、と記者たちが迫るが……。
ところがどっこいそうは行かない。
苦境に追い込まれた、また研究活動が剥奪されそうな、将来への身分保障のない事態にある。そんな小保方さんにとって、そのレシピはまさに最後の砦であり、「最後の切り札」なのだ。

だから、そうそう簡単には切れないぞ。
レシピはきっちり守り、当然切る時は、今後の研究活動が約束された時だけだ。
これが小保方さんを援護する弁護団の作戦だろう。
小保方さんは言い切った。「新たな研究論文として発表したい」と。
この言葉がすべてを表し、このプロセスに小保方さんが入らない限り、誰にも教えませんよ、大発見のスタップ細胞の作り方は。
普通に考えて、これが当たり前だと思うが。

したがって、ネイチャー投稿論文は、小保方さんも言ってるように現象を報告しただけのもので、つまりSTAP(スタップ)細胞はあると伝えるだけのものだった。
したがって、誰も作成できない形にし、今後もこの研究の先端にいることを目論んで公表されたものと推測される。

てな具合に、【札】という字は様々な推理を生み、ミステリーと密接に絡む漢字なのだ。