漢字一文字の旅 第三巻
十六の三 【台】
【台】、元の字は「臺」(だい)、「高」の省略形と「至」を組み合わせた形だとか。
「至」は矢が到達することで、古い時代重要な建物を建てる時、矢を射て、その建設場所を選定した。
その神聖な建物が【台】だそうな。
しかし、常用漢字の【台】は建物の意味はなく、神が寄りつく高殿のことだとか。
ということで、ちょっとややこしい漢字なのだ。
年末になると今年1年を表す漢字が清水寺で発表される。
2016年の漢字は「金」となった。
そしてそれ以外に、日本気象協会が発表する――今年の天気を表す漢字一文字がある。
2016年気象予報士が選らんだ漢字は――【台】。
理由は夏から秋に台風が連続で上陸した。中には北海道にも上陸し、またUターンして本州に戻ってきた台風もあった。
されども一方で、一般人が選んだ気象一文字漢字がある。過去も含めて並べてみよう。
・・・・ 気象予報士 ・・・ 一般人 ・・・
2016年・・ 台 ・・・・ 雨 ・・・
2015年・・ 変 ・・・・ 雨 ・・・
2014年・・ 災 ・・・・ 雨 ・・・
2013年・・ 暑 ・・・・ 荒 ・・・
どうも一般人は【台】より、最近の異常気象によるゲリラ豪雨の方が印象が深いようだ。
作品名:漢字一文字の旅 第三巻 作家名:鮎風 遊