moonlight 改稿版(後編)
だから、こんな深い森の中でも……誰でもいいから、私の声を……。
「だれか、ここから助けてよぉ――――っ!!」
喉につっかえていた言葉を、懇願(こんがん)するかのように見えもしない空に向かって大声で吐き出す。
すると、
キ――――ン!!
耳につんざく音が空から聞こえ、光が闇夜(やみよ)の森を強く照らす。
「……」
上空の光に、彼女は思わず立ち上がり、目を丸くする。
『ギャアアアアア!!』
彼女を嘲(あざけ)る声の主や木々たちの声が苦しみに変わり、森は光とともに消滅していった。
そして世界はあっという間に白一色へと変わった。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ