moonlight 改稿版(後編)
不思議そうに見つめるみちるたち。
「うん。一週間でやるのは厳しいかもしれないけれど……新曲を作ろうよ! いつも通り、私が作詞で、みっちぃが作曲、そして健斗とタッくんが編曲で!」
「ま、マジ?」
ネオの提案に、みちるをはじめ、健斗と巧も驚いた形相(ぎょうそう)を見せる。
ネオは、そうよ、と言い、
「この問題はきっと、自分の言葉じゃないといけないと思うの。もちろん、有名アーティストの楽曲のコピーもいいかもしれない。でもそれは、人の力を借りたという事実があるから、言い方が悪いけど、わたしたちの気持ちなんてこれっぽっちもこもってない。なら、自分たちの気持ちを前面に引き出した、この世に一つしかない、『わたしたちだけの曲』を作った方がリアルに、実緒に届くんじゃないかなーと……」
やっぱり、うまく言えないや。
こんなの無謀(むぼう)だよね。今までだって、制作に二、三週間かかっているんだから。やっぱりやめよう、とネオが言いそうになったその時、
「ネオ」
みちるがネオの前へと歩み寄る。
彼女の両肩に手をあて、
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ