moonlight 改稿版(後編)
普段見せない顔だ。
「あたしにも、あたしにだって、竹下さんが不登校になった非はあるよ! あんたが竹下さんの本気で大事にしていたのに、あんなことを言ったんだから。その方が、お互い傷つかなくて済むと思ったから……」
「ううん、違うよ! みっちぃの言ってることだって正しいよ!」
「違わない! あたしがあんなことを言ったからあんたたちが……!」
「違う! 常に一緒にいて、気づかなかったわたしがいけないの!!」
「いいや! あたしが悪いんだ!!」
「いや、わたしだよ!」
「違う! あたし!」
「わたしだってば!」
自分の主張が通じないみちるに、ネオもとうとう立ち上がる。
お互い、自分の気持ちを譲らず、ぶつかり合う。
「あたし!」
「わたし!」
「あたし!」
ボクシングのようにラリーの応酬(おうしゅう)が続く。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ