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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

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 実緒の家の近くにある、つい最近できたような真新しい公園の小屋で、ネオとみちるは雨宿りをした。ベンチは冷たく、全身の体温を下げていく。
 雨は相変わらず強く降り続き、大きな水たまりもできている。それが、わたしが流した涙の量を表しているみたいだ、とネオは思った。
ネオはその場で座ったまま、潤んだ瞳で公園の風景をじっと見つめた。目の前に置いてある二つの――ネオとみちるの自転車が冷たく光る。
 どうして、気がつかなかったのだろう。その言葉ばかりネオの頭に浮かぶ。実緒の心の叫びに応えられなかった悔しさで、胸が痛んでいる。自慢のポニーテールも、髪も花が元気を無くしたように、へたれているように見える。
「ネオ」
 公園内にある自販機に立ち寄っていたみちるが帰ってきた。
「はい、缶コーヒー。冷める前に飲みな」
「うん……ありがとう、みっちぃ」
 みちるはネオの隣に静かに腰を下ろし、コーヒーを飲む。ネオもそれに見習う。冷え切った身体が温まっていく。しかし、ネオの心まで熱が通ることはなかった。ため息が漏れ、二人の間に沈黙が続く。
 ややあって、