和尚さんの法話 「女人往生伝」
居って、その和気清麻呂が、それだったら神のお告げを
受けましょうと、神様がそうしなさいというのであった
らそうしましょうと。
それまでお待ちください、私は神様のお告げを聞いて参
りますといって、九州の宇佐の八幡宮まで行って夢のお
告げを聞いてくるのでそれまでお待ちくださいと。
そしてその夢のお告げがありました。
まかりならんというお告げでございました。
それほど昔の人は夢ということを大事にしたんですね。
今でこそ夢って、夢のような話と馬鹿にされますけど、
現に夢見地蔵というお地蔵さんが存在するくらいですか
ら夢ということを大事にしたんですね。
常識より夢のほうを尊重したんです昔の人は。
ですから皆さんがなにかお困りになったら何処の神さ
ん仏さんでもいいから、どうぞ夢でお告げを下さいと
お願いすることですね。
参考になるかどうか、また別の大阪の或る四十前後の
人が来て、仕事を探してるんですが私はどんな仕事に
ついたらいいでしょうかという相談に来たそうです。
そのときにお稲荷さんが見えたそうで、お稲荷さんを
ご信心されていますかと聞いたら、家に祀ってますと
いうことです。
それならば、まして大阪の人だし、そのお稲荷さんに
私はどんな仕事に就いたら宜しいか、どうぞ夢でお知
らせ下さいと言ってお願いしなさいと、和尚さんが言
ったんですね。
その人はそれを実行したわけです。
それからだいぶんたってから来たそうでその夢の話し
を聞いたそうです。夢で紙箱の仕事をしている夢を見
たそうです。
ところが二十歳前後の頃に、そういう紙箱の仕事をす
る所に奉公したことがあるというんです。
ですからその先入観で紙箱やってる夢を見たのと違う
かなと思ったんですね。
そしてその人の友達がいて、その友達が友人を紹介し
てくれて、その友人が紙箱の仕事をやりたいと思って
るんだけど一人じゃ無理なんで、もう一人相棒が欲し
いと聞いたので、おまえは若い頃にそういう仕事をし
ていただろうと、こう言うわけです。
だからいっぺん彼の話しを聞いて、お互いの話が合え
ば仕事をすればいいし、ただ紹介するだけだからと言
うのです。
その話を聞いたときに胸が躍ったというのです。
夢で見てるし、これはやっぱり夢のお告げだったのか
と思ったので、そこでよし、と話あって共同でするこ
とにしたと。
ところがその人が途中で辞めてしまったので私は独立
することになったんですと。
そして現在は、おかげさんで工場も建て、少ないけど
工員も使いまして、おかげさんで成功させて頂きまし
たと言って来たそうです。
これはお稲荷さんの夢のお告げです。
ですから皆さん、困ったことがあったら神さん仏さん
に夢でお知らせ頂いて下さい。
了
作品名:和尚さんの法話 「女人往生伝」 作家名:みわ