探索
探索5
1
航行すべく人は完熟し、窃取された内側と内側に、逆らう砂の世紀から離れて、泳ぐ翼を縫い合わせている。だが石は諦めていた、露悪するだけの岩すらないことに。飛魚は絶望していた、感光するだけの直線すらないことに。叱ってください、産み過ぎた戦略の世紀末を。なぞってください、楽園を固く結ぶ人の手つきを。
2
心をおとしめて、息をはたらかせ、花を唱える先から。五月の引き際にはもはや、陶器に下された妹からはさらに。削減された冬のあらしが、気に入りだした脈拍が。呼ぶ、さげすまれた一瞬の繊度から、すべての尺度から孤絶したゆえに、ひとつの官意から連なり込んだといえども。なぜなら、それゆえに、敷衍すると、石。
3
私が死んだら死はどうなるか。生きているから死にも存在価値があった。私が死ぬことは死が死ぬことと同義だ。だとしたら死は不可能ではないか。私は永遠に死ねない。そして死を論ずることは論を殺すことに他ならない。論を殺すことは論そのものである私を殺すことに他ならない。ということは私は死の不可能性を論ずることで死の可能性を証明した。