愛道局
督促状
マンションの集合ポストを開けると、2枚のハガキがあった。2枚とも中が分からないようになっている。下の角の部分から剥がすと中が見られるようになっているのだが、このてのハガキは督促状だ。市からのハガキは、中身をみなくても分かっている。
「まだ1ヶ月ちょっとしか経っていないじゃないか」と呟きながら山本英治はそれをびりびりと破ってごみ箱に捨てた。もう一枚は愛道局からだった。これは予定外だった。開けてみると、
【愛道料金払込みのご案内】
平素は、愛道局の愛気をご利用いただきまして、深いご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
愛気は、犯罪の減少にも貢献をしており、社会生活のさまざまな活動を円滑に行うために欠かせないものとなっており、皆様の豊かな暮らしの応援をさせていただいております。
さて、現在、口座払込みいただいておりますご契約の愛道料は、1月分までは払込みされておりますが、今月のあなた様の口座の残高がお払込みいただく愛道料の合計額に足りませんでしたので、お払込みを受けることができませんでした。
つきましては、お手数ですが、下記の愛道料相当額(2〜3月分)を指定の口座へご入金いただきますようご案内申し上げます。
なお、既にお払込みをいただいている場合は、行き違いですので、あしからずご了承ください。
※ ご指定のの口座へのご入金の期日までにご入金がないまま、2ヶ月を過ぎますと、愛道を停止させていただきますので、ご了承ください。