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和尚さんの法話 「運命」

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善因善果、悪因悪果というのは仏様が作った法則じゃないんだと、全宇宙の自然の法則なんだということです。

我々の宇宙のことにはいろんな不思議な法則がいっぱいありますね、地球の公転とか、どうして生物の男女があるのか、そして子孫繁栄になってるんですよね、うまいこと男女が一対になってるんでしょ、これは不思議じゃないでしょうか。
花にもありますね、雄と雌と、どうしてそんなになるのか、自然の法則なんですよね。
だから良いことをしたら良いことがあるし、悪いことをしたら悪いことが起こると、これは自然の道理ですよね。

そういうふうにして自然を見ても解るように示しているのに気が付かない。
つまり、馬の耳に念仏ですね。
心が塞がってしまってる。
心を開いて正しいことをちっとも聞き入れる態度を持たない。
さて、死ぬときになって初めて後悔が起こってくるけど、そのときはもう遅い。
業にもよりけりですけれども、あんまり深い業を積んでたら、死ぬときになったら現れる。

和尚さんも檀家さんから聞いたことがあるそうですが、それはもう大変な死に様だそうです。
死ぬときに、地下へ落ちていくというんだそうです。
死ぬ人は、布団に寝てるんですが、落ちる、落ちると言うて、そして落ちないように縛ってくれと。
身体が落ちていくんじゃなくて、霊魂が落ちるんですよね、だから縛りようがない。
その人は落ちるから縛ってくれーと、言いながら死んだそうです。

ほかにもこういう話しはありますが、あんまり深い罪だったら死ぬときに変な死に方をして死ぬことになるようです。
死ぬときも怖いですね、安らかに死ねるのが一番けっこうですが、然しながらあの世で、何処へ行くかということが更に問題です。
あの世の運命が問題です、この世の運命よりも、あの世の運命が問題ですね。
いくら運が悪いといったって、この世には地獄はないんですからね。
地獄のような、とはいえども、地獄はあの世にあるのであって、この世には無いんですから。

そのあの世の地獄へ行ったということは運が悪かったんですよね、運が悪かったということは、原因が悪かった、因縁がわるかったんですよね。
偶然、地獄へ落ちるんとちがうんですから、落ちるという必然の因縁によって落ちる。
だからこの世に因んで、あの世の運命を怖がらないといかんのではないでしょうか。

最近はテレビでも霊界の話しが出てきますけど、まあしかしながら地獄の話も極楽の話しも出てきませんけど、霊魂があるということにはなってますわね。
だからせめて、霊魂があるんだ、死後の世界があるんだということをまず信じていただいて、そしてあの世の冥福というて、謹んでご冥福を祈る。
冥土の幸福ということですから、良いところへ行っていただきたいという祈りを込めて行うんですよね。

お葬式のあとに中陰から49日間、あれは亡くなった人の冥福を祈ってるわけです。
あの世の幸せを祈るわけです。
だから霊魂やあの世が存在するというのが前提になった話ですよね。
ですから霊魂が無かったら宗教は成立しない。
仏教を含めて全ての宗教は死後の世界や霊魂が無かったら宗教は成立しない。
死後の世界があるから宗教が成立するのであって、死後の世界のことを支配できるのは宗教というわけです。








作品名:和尚さんの法話 「運命」 作家名:みわ