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蛇兎賭

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「蛇はウサギをも丸飲みにしてしまいマス。」
誰かがそんなこと言ってたな、確か俺んちにホームステイしてた外国人だったかな?
その人はホームステイというより、俺のお袋に住まされてると言ったほうが正解だな。
お袋は極度の外国好きで外国人なんか何人もホームステイさせてる阿呆だ。
金もないくせに見栄はっていつも「大丈夫」と嘘を吐く。
そんなお袋も交通事故で死んだ。つい昨日のことだ。車に轢かれたそうだ。
しかもお袋は大量の借金があることが判明。その額約1000万円。
借金は10年経つまでに返さなければ追われるだとか聞いたけど、その返す日が1ヶ月後。とても返せない。
俺は追われる、ならばもう賭けしかない。だが、今所持金は100万。カイジじゃあるまいしそんなすぐには儲けられない。せいぜいがんばっても半分返せるか返せないか。どっちにしろ追われるのは間違いなし。
そんな時、ネットで偶然見つけた高額賭け板を見つけた。
「へびうさぎ・・・かけ?・・・は?・・・あ!ダウトか」
ダウトを「蛇兎賭」と書いてある。しかも一回に書ける金は今ある全財産100万円。負けたらもう終わり。だからだろうか、俺が惹かれてしまったのは。
俺はすぐさま表示板にかいてある電話番号に掛ける。
相手は1回目のコールで出た。女だ。
「もしもしこちら「蛇兎賭」でございます。参加希望ですか?」
「あ、はい」
「ではお名前をお伺いしてもよろしいですか?」
「伊集院來斗だ」
「わかりました。では会員登場しましたので明日、お宅にお伺いします」
と電話を切った。俺は心配なのか分からないけど親父に電話した。
だが、親父は電話に出なかった。

作品名:蛇兎賭 作家名:DG4