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和尚さんの法話 「霊夢と信仰」

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翻訳の人は三蔵といいますね、何々三蔵と大勢いますね。
玄奘三蔵もそうですし、羅什三蔵もそうですね。
ところがこの法華経を翻訳したのは誰かというと、この羅什という人なんですね。

羅什三蔵といって、この人は偉い坊さんで有名なんですね。
この人は門下三千というほどのお弟子さんがあったんですね。
この羅什三蔵の国が戦争になって、負けてしまうんですね。
そして何もいらんから、この羅什をよこせといって、中国へ連れていかれるわけです。
そして、この羅什の子孫を残したいというので、無理やり女性と一緒に部屋に閉じ込めてしまうんです。
子供が出来なければ女性を殺すと言われて仕方なく結婚することになって、子供が生まれるわけです。
羅什が講義をしているときに子供が、お父ちゃんというてはって来るんですね。
それでも、この師匠は偉い人だからといって、皆が見てたんですが、なかには師匠があんなんだからといって離れる人もいる。
ですから、弟子のなかには遊郭とか遊びに行く坊さんもあったわけです。
これでは困るというので、或るときに弟子を集めて皆に供養をしたいというのです。
お師匠さんは何を供養してくれるんだろうなと、弟子たちは思うわけです。
托鉢のときに使う鉄鉢の中に、針を山のように入れてあって、これを諸君に供養したいというのです。
わしがこんなだから諸君はそうなったけど、師匠がしたからというて、弟子がすることはないんじゃないかと。
私はやむなく、こうなってしまったけれども、業が深いからこんな羽目になったけど、然しながら、この針を飲むような思いで懺悔しているんだ。
だから、これを飲めと言うて皆の前へ出したというのです。
それで、しゅーんとなってしまって、それから行いが改まったということです。
それでこの人は、「我が身は汚泥の如し 吾が説く所は蓮華の如く」
自分の身体は汚れて泥のような身体だ。
然し、私が説くことは蓮華のように綺麗なんだと、説くことは間違いがないがないんだよ。
だから私の言うことをよく聞きなさいということを言ってるんですね。
それで和尚さんは、法華経の樹になるところを羅什が翻訳を間違えたんじゃないかと思って、探したんだけど、何処にも見つからなかったんです。

ところが、或る夢に、日蓮上人が出てきたんです。

石造を置く石の台がありますね、その石の台に日蓮上人が法華経を持って座ってたんです。
それで和尚さんは、夢の中でその日蓮上人の周りを般若心経を読みながら回ったそうです。
そうすると、台は石なんですが、その石が燃え出すんです。
そして炎の中の日蓮上人に炎がかかっていくんです。
それで、ぱっと眼が覚めたそうです。
それで縁有る本師じゃなくて、欲しだなと思ったそうです。
こういうと失礼なんですが、日蓮上人は、念仏を称える者は無間地獄へ落ちる、真言密教は盲目の教えだと。
こういうことを言ってるんですね。
お経というのは、どれもお釈迦様が説いた教えなのにこういうことを言ってるんですね。
だから夢で日蓮が燃える夢を見たわけです。
また、日蓮上人の言葉のなかに、「上根上機の者は暫く措く」 という言葉があるんですが、
つまり、どの宗派にも本物が居る。然しながらいい加減な者も居る。そのいい加減な者は地獄に落ちるんだということですね。
いい加減な者が念仏や真言を称えても極楽へ行くわけが無い、地獄へ落ちるんだという批判ですね。

これも神仏のお告げの話になりますが、
和尚さんの寺の檀家さんなんですが、毎月拝みに行きますが、いつも昼間に行ってたんですね。
ところが、その檀家さんが、夜に来て欲しいというわけです。
和尚さんは、毎月法話をされてるんですが、その法話を近所の人にも聞かせてあげたいということなんです。
夜に来てくれたら拝んでもらったあとに、近所の人を集めて法話をしてもらいたいと。
そういうことで、その家には夜、行くことになったんです。
法話のあとで近所の人の質問がありまして、
「神仏や霊は本当に存在するんですか」 という質問で、
それならばと、和尚さんが霊媒を行うことになったんですね。

和尚さんが、霊を呼んで、もう一人誰かにお手伝いをしてもうことにして、近所のお婆さんが私がします、ということで、始まりました。
すると、そのお婆さんに霊が入ったんです。
あなたは何方様でございますかと、和尚さんが尋ねますと。
「 だきに天 」 と応えた。
どちらからおこしになりましたかと聞くと。
「東福寺」 と。

和尚さんがいつも月参りをしてる檀家さんの家が東福寺の近くにありまして、その東福寺の門の奥のところにある神様だなと、すぐに分かったそうです。
その前を通るときにいつも神様に挨拶をして通るそうです。
その神様がお婆さんに乗り移ったんです。
集まった近所の人は皆がもう、びっくりしたそうです。

そのとき、和尚さんは上座へ座っていたので、神様が降りてきたんだから、神様に下座へ居ってもらったらもったいないというので、上座へお座り下さいと言うと
「 いや、これでよろしい、これでよろしい 」 と。

そうですか、恐縮ですがといって、座りなおしたんだそうです。
そこで和尚さんが神様にひとつお聞きしたいといって質問をします。
私はこうして、お話してるんですけれども、間違ってたら大変なんですけれど、これでいかがでしょうか。
「 これでけっこう 」 と、神さんが応えてくれました。

だきに天と言うと、仏教守護の神さんだそうですね。
お稲荷さんとはまたちょっと、違う。
仏教を守護する神さんやけど、狐を眷族に使ってるのでお稲荷さんと、合体してしまってるようですね。

豊川稲荷は、だきに天ですね。
お稲荷さんは、農耕の神さんですね。
だきに天も土地の神さんなんですよね。
仏教を守護し、自分も仏教に帰依してる神さんです。
和尚さんは、折々にこうして自分の話すことが、これで間違ってないだろうかと神仏に聞いているんです。
そのあとは、来ていた近所の人達が我も我もと、個人的にいろいろな病気のことや、子供のことなど悩みを言うて、神さんに教えてもらったそうです。