砂漠の月、星の姫~road to East~
歴史のブラック・ホールというものについて、皆さんは考えたことがありますか?
歴史には空白の部分が私たちが思っている以上に多くあると思うのです。例えば、今回のお話は歴史ファンタジーですが、もしかしたら、現実にこんなこともあったかもしれません。全くなかったと断定することはできないのです。何故なら、後世に伝わる、つまり現代に生きる私たちの知る歴史というのは、あくまでも書き記されたものであって、本当の真実はその時代を生きた人々しか知り得ないからです。殊に正史、国が編纂した歴史書というのは、時の権力者、為政者によって編纂されますから、当然ながら、権力者に都合の良いように書かれている部分が往々にしてあるのです。まあ、言い換えれば、真実が時の実力者に都合の良いように歪められているといったところでしょうか。もちろん、すべての歴史的事実がそうだとは言いませんが、昔には国の歴史書が都合良く書き換えられていたといことは少なくはなかったようです。そういう点では、むしろ、個人的な歴史書、史家が私的に著した歴史書の方がかえって信憑性が高いといえるかもしれませんね。
歴史には私たちの知らない隠された部分がある、そして、歴史上から抹殺された人々、封印された事実や事件がまだまだ数多くあると私は信じています。そう考えていけば、歴史はまさにミステリーを数多く秘めた謎の学問ということになります。これを書いたきっかけは、昔から大好きだった歌ですが、私が歴史に大きな関心を寄せるのは、まさにこの歴史のブラック・ホールゆえだと言えます。
さて、今回のお話は久しぶりに日本の江戸時代から離れて、異国の砂漠へとトリップしてしまいました。いかがでしたでしょうか。
それでは、また。次回は再び、日本の江戸でお逢いしましょう。
東 めぐみ拝
二00五年十月吉日
作品名:砂漠の月、星の姫~road to East~ 作家名:東 めぐみ