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ぽむぽむながし
ぽむぽむながし
novelistID. 46412
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流星

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友梨は必死でかばいに入ったが、一足間に合わず、トラックは二人をはねた。強い衝撃の後、二人は宙を舞った。友梨は身に覚えのあるこの光景の驚く前に、目の前が真っ暗になった。どこかで、悲鳴と遠い耳鳴りがした気がした。
(ほら、未来は変えられない。)

終.名もなき流れ星

目が覚めると、そこは真っ白な病院だった。そこには母の姿があった。
「友梨・・!気がついたのね。よかった・・・・。」
左腕にとてつもない痛みを感じた。処置はされていたが、どうやら折れているらしい。足には大きなアザができていた。
「・・・!り、里桜は!?」
「大丈夫。軽い怪我ですんだらしいわ。」
「・・・えっ?」
母や入って来た医師が病室を去ると、友梨は里沙の元へ向かった。
「友梨?!」
「里桜!よかった・・・生きてた・・・。」
友梨は泣きながら里桜に飛びついた。里沙の怪我は友梨ほどではなかった。
「友梨、助けてくれてありがとう。あたし、友梨のあの言葉を信じればよかった。ごめんね。」
「ううん・・・。いいの。」
しばらくして自分の病室に戻ると、あの耳鳴りがした。
(ね、未来は変わらなかったでしょう?)
「でも、里桜は生きて・・・・。」
言いかけてはっとした。友梨が見たのは事故であった。里桜が死ぬ所は見ていない。友梨が勝手に死ぬと決めつけているだけであった。それに、確かに跳ねられた瞬間に友梨は夢で見た光景を見ていた。
「・・・そうだ・・・ね。」
(きっと、あなた様が未来を見てなかったら彼女を助けることはできなかったでしょう。しかし未来は全てを知っている。あなたが未来を見て行動することもすべて・・・。)
耳鳴りがやんだ。空は色を変え始めていた。紅の空が闇に染まろうとしていた。友梨は空を見ながら、一つのことを決めていた。
その夜、友梨は病院の屋上にいた。里桜とともに。
「どうしたの?突然空を見ようなんて。」
友梨の耳には絶えず耳鳴りがしていた。
「・・・あの星は・・・?」
里桜が指をさした星はあの赤い赤い星だった。星はあの晩のようにきらりと光って、空を流れた。友梨は慌てて再び星に願いをかけた。
「もう・・・未来が見えなくなりますように・・・・!」
「えっ、いいの?友梨。たまたまでも未来が見えた方がラッキーじゃない?」
里桜はこの間友梨が未来を言い当てたので、その力を疑ってはいなかった。願いをかけた星は流れる向きを変え二人の方に流れてきた。近づくにつれて、星の姿は赤く炎のような鳥に姿を変え、二人の前に降り立った。驚いて、声がしばらく出なかった。すると二人の耳に遠い耳鳴りが聞こえた。
(よいのか?我が主・・・。)
「あ、あなたなの?!」
(我は宇宙(そら)をかける鳥。人は我のことを流れ星と呼ぶ。我はかなえた。願いをかけた主の。)
「・・・・でも、決まった未来が見えたら人生なんてつまんないって気がついたから。」
「友梨・・・。}
(我は長い間飛び、人が願いをかけるたびかなえた。人を知りたかった。)
美しく、大きな翼に、神々しい瞳を持ち、宇宙をかけるその鳥はまさに神鳥と呼ぶにふさわしかった。きっと人間の持つ夢などたやすく叶えてしまうだろう。
「なんでもかなえられるの?」
「・・・汝は何を願う・・・?}
「里桜・・・?」
里桜は何を願うのだろう。まっすぐなふと二には迷うも疑いもなかった。
「友梨と・・・ずっと友達でいたい。」
「里桜・・・。」
(そんなこと願う必要があるのか。我はもう行く。また飛ぶ。そして、また人の願いを叶え、人を知りたい。)
そう言った流れ星の顔は少し笑っていたような気がした。そして、宇宙高く飛んでいった。
作品名:流星 作家名:ぽむぽむながし