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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

INDEX|73ページ/89ページ|

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「うん。あんまり人には言わないけど、週三回はカラオケショップで歌っているし、ボイストレ―ニングの本も買って、わたしなりに努力してるよ」
 そんなネオの一面を見て、
「すごいなぁ。こんなに努力しているなんて……私なんか全然だよ」
「いやいや、実緒と比べたら全然……」
「違うよ。真っ直ぐで、必死に夢に向かって……ネオちゃんが羨ましい」
 実緒は肩を落とし、
「私なんか、いつも不安に押しつぶされっぱなしだもん。部員のメンバーにもバカにされるから……だから、そんなネオちゃんが、羨ましいよ……」
 泣きそうな低い声音(こわね)で、床をじっと見つめる。その姿が自分の才能に悲観しているように、ネオには見えた。
 だから、
「あ、あのねえ、実緒……」
 悄然(しょうぜん)としている彼女の肩を叩く。
「そんな些細(ささい)なこと、ほっときゃあいいのよ! わたしもそうしているよ」
 実緒は、ネオのまっすぐな表情を見つめる。