moonlight 改稿版(前編)
「本気だよ。ここまでコイツが言うんなら、好きにやらせた方が今後のためにもなると思うよ。ここで断って、今、『俺、部活やめるっス!』とか言われても困るし。それにあたしも、」
そして不敵な笑みを浮かべ、
「アニソンを演奏することに、興味がある。面白そうじゃないの!」
ふふん! と鼻で笑った。
「ま、マジ……?」
「これもmoment’sに必要だってことよ」
ふふん、とほくそ笑み、ネオの両肩を叩く。
「……というわけで、文句を言ったら……」
鉛が乗っているかのように、グッ! とみちるの両手が肩に重くのしかかる。
これはもう逆(さか)らえまい。部長はわたしなのに……。
「わ、わかったわよー……だったら、健斗! そんなに自信があるのなら、恥を覚悟で本気で歌ってもらうからね!」
「言われるまでもねえっス! やってやりますよ!!」
「こいつ、ものすっごいナルシストなのよ」
「そうなの?」
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ