moonlight 改稿版(前編)
健斗が落胆を混ぜた驚きをあげる。
「何よ、文句があるの? わたしが部長なんだから、決めるのはもちろん、わ・た・し! でしょ! どうせあんたが決めてもナルシな言葉だもんね、ナル男(お)」
「な、ナル男じゃねぇっスよ!」
健斗は思わず立ち上がる。それを彼女は「はん!」と鼻であしらい、
「何よ、面接で、『俺がいないと、星たちが輝くことができないぜ』とわけのわからんイタイことを言ったのは、どこのだれよ?」
ネオのイヤミな言い回しに、カチンときた健斗は彼女に接近し、顔を近づけ、
「あ、あれのどこがイタイっスか! 俺がいないと先輩や生徒が輝くことがないぜと言っただけですよ!」
ネオもそれ対抗するかのように、バン! とその場で大きな足音を立て、
「そうよ! だからナルシスト男――ナル男って呼んでるんじゃない。自覚しなさいよ!」
「認めんっス! 先輩であろうがなんだろうが、俺はナルシストじゃあないっス!」
「認めなさいよ!」
「絶対に違うっス!」
「認めろってば!」
「ああーっ、もう! うるさ――――――い!」
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ