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或宮とりえ
或宮とりえ
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現想怪路 第一話「伝心交錯」

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「見間違い、か。」
僕の話を一通り聞いた深見先生は何かを確信したような強い眼付きをしていた。
先生は続ける。
「それは見間違いなんかじゃないかもしれないぞ。」
見間違いじゃ、ない。
「どういうことですか?」
「それはだな、最近になってからだが、今の神衣と同じような経験をしたという生徒がいるって話を耳にしたんだ。それも何人もだ。」
僕の身に起きたその事件はとても不可思議で、そんな出来事が何度も起きているというのは些か奇妙だ。
偶然とは思えないくらいに。
「本当ですか?」
「あぁ。今の神衣と同じような証言を言っているらしい。『そのときはそう表示してあった』ってね。」
確かに僕の経験と一致する。
もしそれが本当ならこの事件には何か原因がある。
そのことに僕は少し好奇心が湧いた。
まるで小学生のような、未知の世界を探りたいという好奇心。
僕はそんな心を久しぶりに思い出した。
「ちょっと待ってくださいよ。そんなこと有り得なくないですか?送信したあとの文章が変わって元に戻るなんて・・・。常識はずれにも程があります。」
「それも確かにそうだが、何人も同じような被害者がいるんじゃ、その共通項が嫌でも目に入るだろう。それら全部に関連があるんじゃないか、ってね。それに我々はSF同好会じゃないか。日々の常識を捨て、その原因を突き止めたいと思うのが普通じゃないか?」
深見先生はそう言った後、僕の方を向いにこりと微笑んだ。
僕の考えが見透かされたのか、あるいは僕が模範的なSF同好会員なのか。
先生の言う生徒像なんてあてにならないけれど。
でも僕は、この事件について詳しく知りたいと思った。
自分が体験しているからというのもあるが、純粋に暇で、面白そうだからだ。
「僕、やります。この事件について詳しく知りたい。」
「えっ?ちょっとー、本気なの?」
「ほらほら神衣は興味があるみたいじゃないか。実草はどうなんだ?」
「そっ、そりゃ調べますよ。最初からそのつもりでしたし・・・。」
「本当かよ。」
「本当だってば!」
「良かった良かった。実は私は前からこのことに興味を持っていてね。調べる仲間が多いほうがいいものだ。」
「先生、だから僕たちを誘ったんですか・・・?」
「さぁな。」
深見先生は持っていた鞄の中から何枚かの書類を取り出した。