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砂漠の王の愛奴隷

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何かの事情で、本意ではないが自分たちを招かねばならない理由があったのだろうか。
雪乃は混乱していた。

「おまえたち、少し外してくれ」

そう告げると、周囲にいた享楽的な女性たちは衣服を整えて速やかに退室した。

「疲れただろう。今日はゆっくりと休むといい。
必要なものはなんでも用意しよう。…ラシフ」
「はい」
「部屋の用意はできているな」
「はい、これからご案内致します」
「晩さん会には遅れぬようにな」

部屋に案内されてからも、葵は落ち着かなかった。
早くイルバーノに会いたいという気持ちと、先ほどのジェラードの様子が気になっていた。
本心としては、早くHHIGへ行ってイルバーノに乗って、練習をしたい。
少しの時間でも惜しいのだ。
しかし、今夜ひと晩だけ我慢すればいい。

晩さん会でもファシードは特にこれといって楽しげな様子ではなかった。
雪乃はすすめられるまま慣れない酒を飲み、思いがけず酔ってしまった。
これまで、日本競馬会の新年会以外で酒を飲んだことはなかったのだ。
気づけば部屋のベッドに寝かされていた。

「……ん…」

今何時だろうか。
時計がどこにもない。荷物の中から携帯電話を出して確かめなければならないが、
ベッドを下りるのも億劫だ。

「……」

不意に、雪乃は自分が裸で寝かされていることに気づいて絶句した。
どうして…。
そう思った瞬間、さらなる衝撃が葵を襲った。

「……え……!?」

隣に何かが寝ているのだ。
思わずその何かの腕に手で触れてしまい、それに気づいた。

「…目が覚めたか」
「な…っ誰ですか……!?」

電気をつけようにも何がどこにあるかもわからない。
暗闇の中で、その人物が体を起こした。
大きな上体の圧倒的な存在感に、雪乃は怯えてベッドから飛び降りた。
その瞬間、圧倒的な力でベッドに引き戻された。

「いや…っ!! はなして……だれか…!!」
「私を誰だと思っている」

耳元でささやかれたその冷たい声で確信した。

「……シーク…ジェラード………?」



「いやだ…っやめ……放して……!!」
「見た目よりも威勢がいいな、……これなら十分に楽しめそうだ」
「……っ!!」

ジェラードの大きな手が雪乃の太腿を無遠慮にまさぐった。
何もまとっていない裸のその部分に、ファシードの指先が触れる。

「幼いのは顔立ちだけではないようだな…」
「……や……っぅ……」

怖い。
身体が強張って、声すらも出せない。
震えが止まらない。
雪乃は身体を九の字に折り曲げて、この異常な状態をどうにか理解しようと努めた。

「…あの……待って……っ待ってくださ…い……」
「どうした」
「どうして……こんなことを……」
「決まっているだろう。おまえは私の花嫁なのだから」
「………はな……?」

はなよめ?
この男は、いったい何を言っているのか。
そうか、酔っているのか。
雪乃はようやく納得することができた。

「あの…酔っていらっしゃるのかもしれませんが…こ、こんなこと…やめてください……どうか…」
「酔ってなどいない」
「……え……っ……ん……んんッ!」

唇を塞がれ、雪乃はそのとき初めて男の瞳を見た。
深い闇の中でも冴える群青の色。
一度食らいついたら放さない猛禽類のような鋭さだ。
この男は酔っていない。
酒の香りなどまったくしない。
雪乃は、いっそう困惑した。

「…婚姻の宴は来月執り行う。それまで…」
「………!!」

ジェラードの指が雪乃の秘部を強引にこじ開けようと試みた。
誰にも、自分ですら触れたことのない場所を武骨な指で犯され、
雪乃は声にならない悲鳴を上げた。

「ここで私のものを受け入れられるように、せいぜい慣らしておくことだ」
「い…っやだ……」
「……壊れてしまわないようにな」

撥ね退けようとしても、凄まじい力で両手首を抑え込まれる。
左足は膝で抑え付けられ、少しでも動かそうものなら骨が折れそうだ。
あられもない格好で秘所を男の目前にさらけ出している。

「……っひ……ぅ……っどうして…こんな……ひどい…」

雪乃の頬を涙が伝う。
冗談にしてはひどすぎる。
いったい自分が何をしたというのか。

「ひどい? それは心外だ。これまで私に求められて、そんなことを言った者はひとりもいなかった」

そう言うと、ジェラードはアラビア語で何か言葉を発した。
すると天幕の陰から見知らぬ女が現れ、瓶のようなものをジェラードに渡した。
すぐ側にべつの人間がいたことに雪乃は絶句した。
まさかこれまでの自分の痴態も、すべて彼女に見られていたのだろうか。
ジェラードは手慣れた様子で小瓶の蓋を外すと、シーツが濡れることも厭わず
トクトクとその中の液体を雪乃の下肢に垂らした。

「……っなに…それ……」

ふわりと花の香りが鼻孔をかすめる。

「おまえを従順にするための薬だ」

そう告げるとジェラードは、自らの夜着の腰紐を抜き取り
それで葵の両手首を縛り上げた。
いよいよ恐怖に青ざめる雪乃の首筋に口づけると、容赦なく細い腿を大きく開いた。

「い……った…乱暴にしないで……!」
「…馬に乗るためか」
「明日から…練習に……」

その言葉に、ジェラードは喉を鳴らして笑った。

「明日は乗れないかもしれないな」
「え……っあ……! いや……っどうして……」

ジェラードの二本の指が雪乃の陰唇を押し広げ、侵入しようとしている。

「いやだ…っ!! いや……!」

構わず、入口に先ほどの薬を塗り広げる。

「………っ……ひぁああっ!」
「ここか?」

いたずらに幼い肉芽を擦られ、雪乃は足がつってしまいそうなほど
身体を反らせた。
こんな感覚を味わったことは一度もなかった。

「自分で触ったことすらないようだな」
「い…っや……見ないで……」

顔を精一杯背けることしかできない。

「ここを擦っただけでこうなってしまうとは、なかなか素質があるようだ」
「………っ」

息がかかるほど耳元で囁かれ、それだけでまた下半身が熱くなる。
これは薬のせいだ。

「おねが……も……っやめて……」
「そんな顔をされると今すぐ奪いたくなるが……理性のある夫に感謝してもらおう」
「……っふ…ぅ………ぅン……っ」

口づけとともに再び肉芽をなぶられ、ビクンという痙攣とともに達してしまった。
そのまま気を失ってしまえたらよかったのだが
一度火のついた神経はなかなか収まらず、それから何度もジェラードによって快楽の沼へと導かれ
気づけば空が白みはじめていた。
いつの間にか手首の拘束は解かれていたが、ジェラードの体に拘束されていることは変わらない。

「湯殿につれていってやろう」

そう言うと男は容易く雪乃の体を抱き上げた。
明るいところで改めてジェラードの顔を見て、雪乃はとても平静ではいられず
その腕から飛び降りた。

「……っあなた…何をしたかわかっているんですか……いくらシークといえど…これは……あまりにも……
私は今日…大使館に訴えます……」
「ほう、できるものならやってみるがいい」
「……!本気ですよ…」
「おまえはまだ自分の立場がわかっていないようだな。
作品名:砂漠の王の愛奴隷 作家名:宇佐美誠