音楽屋~おとらくや~
からんからん、とベルの音が鳴る。誰かが入店してきたようだ。私はそのお客さんに近寄る。そしていつもように聞く。「お好きな音はありますか?」と。
この店、「音楽屋~おとらくや~」は不思議な音とともに、5年間お客さんをお出迎えしてきた。
このお客さんはちょうど数えて200人目のお客さんだ。別に数字と音は関係ないけど、私にとってこの店は長い付き合いともいえる。だからうれしいのだ。
「すいません、この店のおススメは?」
私はいつものようにラジオにCDを入れる。
音が流れる、まるで川の流れに逆らったような音だ。私はあえてこれをチョイスしたのは、このお客さんは負けてここに来たのだ。大体ここに来るお客さんはそういう負けたとか、特別な感情を持った人が来る店なのだ。
細い路地を抜けたところにあるこの店は、普通の人には見つけられない。そういう店なのだ。
音楽が終わる。「いい曲ですね、誰の曲ですか?」お客さんは私に満足そうな顔で私を見る。
しかし、「これは一つの音です。曲ではありません」お客さんは「へぇ、面白い店だね」と言い、店を出て行った。
私は話すのが下手だ。だから本当はさっきのお客さんに、「あなたの心をいやすためにこの音を流したのです」という予定だった。
だが私は人と話すと緊張してしまう、なので無理な注文だ。
というか別に私は人となれ合う気がしない。
この店、「音楽屋~おとらくや~」は不思議な音とともに、5年間お客さんをお出迎えしてきた。
このお客さんはちょうど数えて200人目のお客さんだ。別に数字と音は関係ないけど、私にとってこの店は長い付き合いともいえる。だからうれしいのだ。
「すいません、この店のおススメは?」
私はいつものようにラジオにCDを入れる。
音が流れる、まるで川の流れに逆らったような音だ。私はあえてこれをチョイスしたのは、このお客さんは負けてここに来たのだ。大体ここに来るお客さんはそういう負けたとか、特別な感情を持った人が来る店なのだ。
細い路地を抜けたところにあるこの店は、普通の人には見つけられない。そういう店なのだ。
音楽が終わる。「いい曲ですね、誰の曲ですか?」お客さんは私に満足そうな顔で私を見る。
しかし、「これは一つの音です。曲ではありません」お客さんは「へぇ、面白い店だね」と言い、店を出て行った。
私は話すのが下手だ。だから本当はさっきのお客さんに、「あなたの心をいやすためにこの音を流したのです」という予定だった。
だが私は人と話すと緊張してしまう、なので無理な注文だ。
というか別に私は人となれ合う気がしない。
作品名:音楽屋~おとらくや~ 作家名:DG4