── フォト音(on)小説 & ポエム ── 集
光司は雨戸を開ける。夜来の雨はあがり、淡々な光が一瞬に薄暗い部屋に差し込む。その目映さに逆らい庭へと目をやると、木々が色づいてきているようだ。
しかし、光司はそんな季節の移ろいに特段のときめきを抱くこともなく、キッチンへと向かう。
トーストをカリカリに焼き、ハムとレタスを挟む。あとは無造作にマグカップにコーヒーを注ぐ。
あ〜あ、一つため息を吐いた。そして、仕方ないかと呟く。
作品名:── フォト音(on)小説 & ポエム ── 集 作家名:鮎風 遊