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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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アルフ・ライラ・ワ・ライラ11

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「やめてよ、ジャハール。お願いだから・・・」
「ならば死を願え」
「っ!」
「たやすい話だ。オレは指輪の主人には逆らえぬ。お前が『死ね』と命じるだけで事は終わる」
「やだ・・・」
「命じろよ、イオ。また指輪に封じ込められるのも、くだらねぇ主人の望みを叶え続ける事にも、オレは疲れた。すべてを終わらせろ」
視線が交わった瞬間、イオは知ってしまった。
魔神の目に浮かぶ『虚無』を見てしまった。彼の『絶望』を知ってしまった。
「黙って!」
鎖に繋がれ、支配を、隷属を求められる。永遠に続く責め苦。
絶望と悲しみに、涙があふれた。

――――胸が熱い。

焼け付くような痛みに、イオは叫ぶ。
「行って!!どっか遠くに。ここから消えて!」
イオの命令にあやまたず、魔神はすぐさま闇にとけて消え去った。
ドサリと、地面に放り出されたイオは虚脱感にそのまま座り込む。
ボロボロと涙が頬を伝い落ちた。
(なんで・・・なんで、ジャハール・・・)
慌ただしく駆け寄る足音、周りを囲む喧噪から逃れるように、イオは小さく体を丸め、かたく目を閉じた。