もしもBF3のロシア兵がメトロ2033にリスポンしたら
「とにかく、情報を集めないか?現実に戻る手掛かりもつかめるかもしれないしな。」
とにかく、回りの人間達に話を聞くことにした。
ポリスのこと。
オーダーのこと。
核戦争のこと。
地上のこと...
とはいえ、やはり皆心細いようで12人は固まって行動した。
すると、そこに数人の兵士が現れた。
「お前ら、誰だ?さっき入ってきたキャラバンに同行してきたそうだが。」
俺達は身構えた。
「いや、俺らは通りすがりの武装キャラバンさ。怪しいもんじゃない。ポリスに行きたいんだが...」
すると兵士は答えた。
「そんな、見るからに兵士のキャラバンがいるかよ。まぁいい。ポリスはここからじゃかなり遠いぞ。直接行くのも難しいしな。」
「まぁ、とにかく、だ。駅の秩序を乱すのだけはやめてくれ。それだけだ。」
すると、なにかの鐘が鳴り始めた。
俺は兵士に聞いた。
「なんだ?どうしたんだ?」
すると彼らは慌てた表情で答えた。
「ヤバい!ノサリスの襲撃だ!ダークワンのせいで防御網はズタズタだ。あんたらも手伝ってくれ」
俺達は何がなんだかわからなかったが、銃を構えた。
「お、おい。あんた。ノサリスってなんだ!」
「ノサリスを知らないのか?ノサリスは醜いクソったれミュータントだ。通気孔から来るぞ!気を付けろ!」
ガタガタという音がし、通気ダクトから四足歩行の化け物が出てきた。
「撃てぇ!ぶっ殺せ!」
俺達は、訳もわからずただひたすらに化け物を撃ち続けた。
数分すると、警戒が解除されたようだ。
「お前らすごいな。その銃、随分と上等な物のようだが...見たこともない。使ってる弾は軍用弾か?もったいないことするなぁ。」
俺は兵士に聞いた。
「軍用弾がもったいない?どういうことだ?他にも弾が?」
「お前、そんなことも知らないのか?メトロでは軍用弾は金その物だ。普通は安いライフル弾を使うのさ。」
俺達は驚き顔を見合わせた。
弾が金だって?
すごい世界だな...
「そうか...なるほど。」
兵士が言った。
「あんたらのその弾、全部軍用弾か?それだけありゃ、かなりの量のライフル弾が買えるな。」
「そうか...色々教えてくれて助かった。弾丸はどこで売ってるんだ?」
「あれが店さ。そんじゃ、俺達は警備に戻る。達者でな。」
俺達は店で軍用弾を少し手製弾薬に変えた。
全部変えてしまうと金がなくなってしまうので、皆、50発ほど取り替えているようだった。
ショットガンを持ってる兵士は12ゲージを売って軍用弾に取り替えていた。
同じ12ゲージでも、店頭の物は詰め直し品なため高く売れたようだ。
俺は最初に取引を終えたので、先にホームに出た。
ふいに肩を叩かれた。
振り向くと、青年が立っていた。
「なんだ、君は?」
見かけは20歳ぐらいか...俺より4~5歳若いといったところか。
俺は彼と話した。
彼の名はアルチョム。
彼もポリスに行きたいそうだ。
同じ場所に行く以上、同行しない理由はなかった。
「みんな、聞いてくれ。我々と一緒にポリスに向かいたいそうだ。名はアルチョム。優しくしてやってくれ。」
「リガ駅を経由してポリスに向かう。リガへのキャラバンに同行するぞ。よし、乗れ!乗れ!」
小さなキャラバンのトロッコに12人の男達が乗り込む。
そこにキャラバンの男2人とアルチョム、そして我々と同じ便乗者が1人、計14人の大部隊の出来上がりだった。
キャラバンのトロッコが動き出す。
乗せて貰っているお礼に俺達が漕いだ。
てっきりトンネルの中は危険なのかと思っていたが、歩いている奴をちらほら見かけたので、案外安全なのかもしれない。
トンネルを塞ぐゲートが見えてきた。
エキシビジョン駅の警備詰め所かなにかだろうか。
「よーし、止まれ。この先のトンネルで軍の列車が立往生してる。保安用トンネルを使って迂回しろ。」
すると、キャラバンのリーダー格の爺さんが言った。
「ここにいても仕方ない。いこう。」
しかし爺さん、この後不穏なことを口走った。
「どうもこのトンネルは好かないんだ...」
一緒に乗っていた若者が軽くパニックになり爺さんを問いただす。
保安用トンネルは暗く草が生え、薄気味悪かった。
「今にもなにか出てきそうな場所だ...」
「大丈夫さ。これだけの人数と銃火器だ。なにがこようが倒せる。」
俺達はあまり心配していなかった。
しかし、キャラバンのメンバー達は違った。
「ダ、ダークワンが来たらどうするんだ...奴は...」
きっと長い間多くの脅威にさらされているから過敏になってるんだろう..
突然のことだった。
頭痛に襲われ、俺は意識を失った...
目覚めると、目の前にアルチョムの顔があった。
「ん...なにが起きたんだ?」
そのとき、トンネルになにかの叫び声が聞こえた。
キャラバンの若者が言った。
「ノサリスが来る...」
「ノサリス!?ミュータントか!」
俺は未だに気絶している仲間を起こしながらトロッコの最後尾に向かった。
「これでも食らいやがれ!」
バイポッドを置き、PKPペチェネグを撃つ。
「どうだ!7mmの味は!」
ペチェネグの弾丸は、AK74に使われている5,45mmよりも重い7,62mmが使われている。
対人戦においてはしばしば貫通してしまうという話もあるが、化け物相手には丁度よかった。
仲間も意識を取り戻し戦闘に参加した。
「くぅー!痺れるぜ!」
ノサリスを蹴散らしながらトロッコは進んだ。
駅の入り口にたどり着くと、そこの警備が火焔放射機でノサリスを焼き殺した。
「バーベキューだぜ」
どうにか俺達は無事、駅にたどり着けたらしかった。
作品名:もしもBF3のロシア兵がメトロ2033にリスポンしたら 作家名:先任軍曹