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海竜王の宮 深雪  虐殺4

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「季廸、おまえは、叔卿が現れたら、速やかにオアシスまで運んでくれ。その時に、小竜も運べるか? 」
「やれと言うならやるが、速度が出せん。」
「それなら、もう一人、随行してくれ。麻馬、おまえ、ついてこい。」
「だから、全員で行ったほうが早いだろ? 簾。白竜王の竜体は大きい。速度を上げるなら、全員で担いだほうが安全だ。」
「わかった。そういうことなら、全員でもいいぞ。その代わり、速やかにオアシスまで撤退だ。叔卿の意識があったら、義父上のところへ連れて行って、そこで、その後のことは説明してもらえばいい。」
 意識を確認できるところまて、深雪を連れて行く。あの輝く白銀の鱗は目立つので、蓮貴妃が、その上に覆い被って隠す。とは言っても、朱雀も朱色の羽だから、派手と言えば派手だ。夜半なら、朱色は闇に融けるから、その時間を狙う。
「おまえがしんがりか? 簾。」
「ああ、私と蓮貴妃が背後を固める。・・・だから、後の指示は当代に。」
 白竜王の生死の確認が出来たら、そこからは速やかな撤退が望ましい。追撃には、蓮貴妃と二人で対応する。もし、白竜王死んでいたら、この場のものも斬り捨て、シユウの宮城に殴りこむつもりだ。
「それから、季廸。火薬の半分は、オアシスに、そのままにしておいてくれ。追撃が多ければ、それも使う。」
「では、導線も用意しておけばよいか? 」
「バカなことを。私を誰だと思っている? 朱雀の公主だぞ? 火など我が身で発するわ。」
「おお、うっかりしていた。」
「耄碌するには、些か早いぞ? とりあえず、真夜中までオアシスで休むことにしよう。」
 夜になるまでは待機だ。干し肉やオアシスにあった果物を食して、みな、木陰に隠れるように横になる。小竜も、父親の大きな獣の身体に寄りかかって眠っている。他のものは、人型に変化しているが、小竜だけは戻れないから、父親も虎の姿のままで世話をしている。