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和尚さんの法話 「平家物語の往生思想」

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仏道に入って、入道という名前になったわけですが、その人が横笛をいう女性と相思相愛になるんですね。

その横笛という女性は建礼門院に使えている身分の卑しい人で、今で言えば女中さんですかね、下働きをしている身分の低い女性であったそうです。

それで結婚をしようとしたところが、親が許さない。それで入道が出家をしたわけですね。
それで隠遁をしてしまうのです。

そこに横笛が訪ねていくのですが、ところが会わないのですね。


自分はもう縁を断ち切って、そしてもうひたすら後生を願うから会うことは出来ないからといって、会わないのですね。

それで泣く泣く横笛は帰るんですね。


ところが、一旦は返したけれども、また訪ねてくるのではないだろうか。
今は押し返したけれども、次は心が緩んでしまうかもしれない。というので高野山へ行くわけですね。

そういう後生を願う人たちが集まるところがあるのですね。
そこへ行ってしまうんです。

それを知って、横笛は髪を下ろして、此の人は奈良の法華寺に行って後生を願うんですね。
それでもう二人は会うこともなくなってしまったわけですね。これも悲壮ですね。



当時、平安から鎌倉の、まだ法然上人が浄土宗を開かない先から、この念仏門と言うのは広まってたんですね。

天台宗比叡山でも融通念仏と言ってお念仏を称えていた。

高野山にもお念仏があって、お葬式にインドの言葉で称えますね。


そういうことで昔は浄土宗は無かったけれども、お念仏は広まっていたわけです。

比叡山に恵心僧都という僧がいらっしゃいましたが、この方の往生要集は法然上人も、皆読んだそうです。



鴨長明も、この往生要集をいつも持っていたといいますね。
ですから浄土宗はまだ出来てなかったけれども、その当時から来迎往生を願っていたわけです。
また来迎が無かったら極楽へ往生は出来ないと私は思うのです。

往生が出来るのであれば必ず来迎があると。

こういうふうに来迎来迎とよく出てきますが、信仰の境地が、如来様からご覧になって、だいぶ境地が上がってきていると、願いが叶ってきているということをお見通しになったら、お迎えに来てくださるのでしょうね。

まず、その証が夢に出てくるように思うのです。
自分の夢を見てたら分かってくると思うのです、自分の夢がだんだんと仏に近付いてきてるんだなということが、信仰をしてましたら夢が違ってきますね。と、私はそう思うのです。