永遠の冬休みその後
バスが終点に着くと、私は真っ先に出口に向かった。怖いのだ。あの男に何をされるかわからないから。私は早歩きで行ったが、降りたところで見つかって声をかけられた。
「あ!さっきの…ありがとね?飴はもう食べた?」
「あ!い、いやまだ食べてません・・・」
私は目をそらす。だが彼が目を合わせにくる。
「んーそうか。でもおいしいから食べてみなよ。大丈夫、絶対毒とか入ってないから」
見え見えの嘘をついているのはわかるが、なんで私にそんな毒入りの飴を食べさせたいんだろうか。だって私は普通の小学生だし、別にお父さんがちょっと有名だけど、私は関係ないし。
そんなことを考えながら歩いていると、なんと家にいたはずの竜樹がいた。
「あれ?美羽?なんでこんなところにいんだ?パルコに遊びに行くとか言ってなかったか?」
「いやいや、竜樹こそさっき家にいたはずでしょ?なんでここに居るの?」
私たちはただただ固まっているだけだった。