悪夢のダイエット教室
◯カヤ子実家・自室
ベッドの上で横たわっているカヤ子
母「もう朝よ、起きなさいな…」
カヤ子「ううう、、」
と目が覚める。
カヤ子「え、、、わたし、死んだの?」
とまわりを見渡す。
身体を起き上がらせると、そこは自分の部屋。
母「ほんとに10日間もどこにいってたの…」
カヤ子「え??」
母「ほんと心配かけて…」
カヤ子「ダイエット教室は…」
母「はぁ?何言ってるの??」
カヤ子、よろよろと身体を起き上がらせる、
カヤ子「た、体重計…」
母「え?知らないわよー もうすぐ朝ごはんにするから、着替えてらっしゃい」
カヤ子「え…はい」
× × × × ×
クローゼットから服を出して着ている
ジャケットの汚れを取ろうとしてブラシをかけてるとサイズが目に入る…
カヤ子「え??」
◯カヤ子実家・タイニング
朝食を並べている母
ダイニングに降りてきたカヤ子
カヤ子「ねー わたしの服ってとり変えた??」
母「変えてないわよー、そんなことするわけ無いでしょ」
カヤ子「え?うそー わたしって36号だったよね?」
母「そんなこと知らないわよー、それよりさっさと食べちゃってよー」
カヤ子「だいたい、娘が10日間もいなかったのに良く心配じゃないわねー」
母「何いってんの、どうせ彼氏のところに行ってたんでしょー 今朝だって彼が送ってくれたんだから
こんどちゃんと紹介しなさいね?」
カヤ子「え?わたしに彼氏…」
母「だいたい、あんたみたいな子にあんなかっこいい人がよく付き合ってくれたわねー」
と振り返ると、居なくなっている。
◯道路
走ってくるカヤ子。
カヤ子「そんな…だって!」
目の前には空き地が広がっている…
空き地で呆然とするカヤ子は座り込んでしまう。
と…ダイエット教室で同室だった女性が目に入る
カヤ子「…あの人」
と、彼女の後をつけて行く
しばらくして、彼女は路地を抜けていくと、彼女は消えている。
◯カヤ子実家・バスルーム前の脱衣所
姿見を覗きこんでいる
カヤ子「結局、ダイエット教室があったっということを証明できませんでしたが
わたしはあの過酷なダイエットに耐えて確実に痩せました。
でも、何よりも不思議なのは誰もわたしが太っていた時のことを覚えていないのです。
たしかに太っていた時の記憶を消したいと思っていましたが、
本当はもともと太っていなかったのでは…と思うようになりました。」
鏡の中の痩せてほっそりとした自分に見とれているカヤ子。
鏡の前に立っている現実のカヤ子は以前の姿にもかかわらず…
作品名:悪夢のダイエット教室 作家名:楮原一登