和尚さんの法話 「仏教と医療」
沖から大きな波に乗って海岸へよせるというんだから、これは手術ですね。
ところが結果が悪いですね、投げ出されて木っ端見陣になって。
だからこれは、手術はしないほうがいい。
養生さえしてたら治る。
時間はかかるけど、治っていくという意味と違いますかと、和尚さんが言うたんですね。
若しも、私だったら手術はしませんと。
そしたらその奥さんは、わかりました手術はしませんと、言うて帰りました。
けれども、結論は手術をしたんですね。
そして間も無く死んだ。
手術の最中だか、終ってからだったか、兎に角、間も無く死んだ。
『霊魂は不滅』
昔の人は、なにか分からないと迷ったときは神仏に祈ったんですね。
和気清麻呂は九州まで聞きに行ったんでしょ。
道教が皇室を狙うというので、そんなことがあってなるものかと、神様にお告げを受けましょうというて九州へ行ったんですね。
そして夢のお告げを受けたんですね。
昔はこういう夢を非常に大事にしたんですね。
我々の常識よりも夢を大事にしたんです。
在家の人も、坊さんも、神主さんもね、それはお告げというのを信じてたわけです。
我々よりも、神仏は先のことをお見通し出来るということですね。
だからお医者さんも、信仰をなさるといいと思うんですね、手術をするまえに、神仏にお告げを戴くと。
お医者さんであろうが、政治家であろうが、裁判官であろうが信仰を持つことが大事ですね。
信仰を持つことで少しでも正しい判断が出来るんじゃないかと私は思うのです。
阿頼耶識というのは、私たちの身体には五感というのが働いているわけです。
五感とは、目、耳、口、鼻、身、の五つの心が働いているわけです。
心を色といいまして、その上に意識というのがあって、五色を統一しているわけです。
この意識の奥に末那識というのがあって、その奥に阿頼耶識がある。
心の根本は、この阿頼耶識であると。
霊魂は不滅であるというのは、この阿頼耶識なんですね。
そして生まれ変わり死に変わりを繰り返すと。
その中心になるのは阿頼耶識だと書いてたそうです。
これはこの官長さんだけじゃなくて、唯識の学者もそうおっしゃるそうです。
ところが和尚さんは、それはおかしいと。
この話をすると長くなりますので、結論を言いますと、輪廻するのは意識であって、阿頼耶識は輪廻しないということです。
この話を浅草寺の官長さんに話したそうです。
すると、官長さんは、とても自分は、そこまで理解できませんというお返事だったそうで、感心していたそうです。
それから、毎月、浅草寺という雑誌を送ってくれるようになったそうです。
その雑誌に、信者の方の体験談が出てるんですね。
そこに、今の雪祭りの話が載ってたわけです。
或る方が、私は以前、雪まつりに行く飛行機が墜落して亡くなった。
実は、私もその雪まつりに参加する予定でした。往復の切符も買って、出発の日を楽しみに待っていたんです。
そして出発の日が近付いていくに従って、だんだんと不安になってきましたと。
どうにも不安を感じる、如何にも不安だと。
それで行くのを止めたんです。
それで奥さんに、この切符、勿体ないから誰かにあげようかと言いますと。
奥さんも、用事でも出来て都合が悪くなったから行くのを止めるというのなら分かるけど、危険を感じて止めようというのに、その切符を誰かにあげて、若し何かあったらどうしますか。
一生恨まれますよ。
そんなものは燃やしたらどうですかと、燃やしてしまったそうです。
それでその方は行かなかったんですね。
で、その飛行機が墜落したのです。
それでその人は、私は観音様のおかげで救われましたと、思っていますと。
小さい時は、お爺さん、お婆さんに手を引かれて観音様へお参りしました。
今は孫の手を引いて、観音様へお参りしていますと。
これは観音様のおかげだと思いますね。
必ず、信仰のおかげというものはありますね。
行者さんの話しと一致しますね。
その人は、観音様で、その飛行機が墜落すると、何時日も前からあの飛行機は墜落するというのが分かってるんですね。
私を信仰しているこの人間は、この飛行機へ乗ったら危ないので、危ないぞ、危ないぞと、観音様がそう思わせてくれるんですね。
虫の知らせとか、第六感といいますよね。
それですね。お知らせです。
了
作品名:和尚さんの法話 「仏教と医療」 作家名:みわ