短歌連作 夜に笛
夜に笛聞いたら二度と帰れない最終列車にみんなで乗った
箱庭のそとから手を振るあなたにも不思議なものが見えていたんだ
瞬きはシグナルである空割れてトモダチ トモダチ トモダチが来る
りいんりいんウィンドウこそSUNでありぱりんと割れたらわたしのものよ
トモダチをなくした朝のアカツキに兄さんの放つ業火を見たの
世界が変わる もう二度と戻れない夜に響いた笛の音
ねえあなた世界のありかを知っている? 無垢だけが見る真実がある
壊された世界の炊飯ジャーからは平らな米の地平の拒絶
赤とんぼ指差し夏が終わるよと言えない父が取り残される
最小の家族となった俺たちをつなぐテレビジョンのぬくもり
ひとりでは生きていないから七夕の笹飾りにもあの子の名前
弟が海のかなたで笑ってるぎらぎらをみるときにかなしい
まじわらないふたりは遠ざかりながらきれいきれいと影をみつめた
閉ざされた海のひかりに目をそらし たとえばカレーを作って食べる
天からはあなたの声が与えられさびしい子にだけトモダチがいる
スクランブル・エッグにされた憧れは夏の日差しのせいでこげつく
シンパシーサインとしての消しゴムを手渡すときに名前を呼んだ
教室で一番かわいい女の子を見ていないたったひとり
虹を見た僕らを濡らす天気雨明日はどんな愉しい日かな
音記号言葉音楽ゆらぐきみなにもかもからひとつを選ぶ
君にだけ与えたかった光源を掲げた腕がぴんと長くて
日蝕がはじまる前に覚えてて きみを愛するために生まれた
太陽はここにあります僕たちは光のさなかでまた会うでしょう
壊された街からも一度始めよう 蝶々は空を選んで飛んだ
観覧車が回っているよ俺たちの約束なんて忘れたみたい
迷わずにおまえを見つめて歌うから一新星のままでいろよ
あたらしい太陽が来るそのときが何度来たって俺は負けない
進もうよ どんなやり方でもいいよ 乗れない電車のかわりに走ろう
人間は一人でだから孤独である ゆえに君を探し求める
猫がゆく道の向こうを見失いきっと取り戻せない掌
浸透する愛という名の道しるべいつだって見えているからふたり
いつまでも友達だから大丈夫 たくさん食べてつづけてください
いつまでも君ある星が眩しくてそうして君の目覚める朝だ
ただいまとおかえりなさいを繰り返し僕の家族になってください
チームメイト募集 世界とか俺と一緒に救ったりしませんか
夜に笛聞いた子供も眠ってた子供もみんなひかりの子供
親友って言葉はむずむずするからさ 単にふたりで映画を見るよ
かがやきを食べて生きてるあなたには心音すらも食物である
あの夏のことを覚えたままでいる 鎖の匂いが救命ボート
諦めて人生なんかは捨てちゃってヒーローショーはあなたのものだ
恋なんてお荷物じゃなくフィールドを二人で走っていたかっただけ
ホイッスル高く鋭く鳴らしたら救世主には俺がなるから
ふつうじゃあない人生は恋のよう 傷つきながらゴールを探せ
男の子になりたがってるわけじゃなくトモダチまでの距離が長くて
おひさまが頑張ろうよって光るからわたしあなたとまだここにいる
ねえきみはグラウンドには行かないで海の匂いがわかってしまう
恋みたい 窓枠に手をかけたってそれぞれ別の言語を生きる
恋だけが呪いのようにありました指輪なんかは火山に捨てて
トモダチになってください 閉ざされた窓を開いた手がここにある
欲しいのは理解ではなくまなざしでふたつの星が手をつなぐ夜
わたしたち終わらぬ夏を生きたくておみせやさんをさがしてあげる
ねえ俺のこと好きになってよトモダチの次の次くらいでいいからさ
嘘つきのあのひとのことくすくすと話すあの子のアイスの話
一説によると曇りの朝だけはどこまでも声が届く お祈り
わたしにはほむらとしての楽園の扉が見えていてあいのうた
あおいろの地平線から大丈夫だよってあなたが隣にいたの
なあ神様、俺の愛した世界なら俺に救えるはずなんだろう?
誰よりも最前線で手を翳すあなたの声が夜壊す笛
空を飛ぶ鳥のようだね 誰だって自分以外になれないってこと
アスファルトチョークの黄色で染め上げて明日はもっと強くなろうよ
高潔な天使にだって板チョコを分配しながら準備は万端
おつきさま欲しい僕らが幸福に暮らしていけるおうちが欲しい
マンションの最上階から伝言です、お買い物ならあたしも行くわ
つながない掌の距離かなしくてこのままこのまま樹の下にいる
遠ざかるがたがた電車の向こうからカラーの中のモノクロのように
わたしには信じられない教科書をみぬいてかしこくなれるおくすり
死ぬなんて簡単だからおくすりを飲んだ醜いあたしを殺す
もう一度ハッピーエンドを探そうと手を繋いでた男が死んだ
トモダチが無限に降った朝だった みんな ただしい 生きていていい
平行に僕らはゆくよ別々の切符を買って見せ合いっこして
進んでゆく体を留められないという呪いなら受け入れたから
あの夏に帰れないけどそれでいい大丈夫だよとあなたは言った
ゆうやけがきれいねだからありがとう今日も一緒にいてくれたこと
進んでゆく電車の中で目を閉じて真っ暗闇だが確かな何か
うつくしいだけの花だけ欲しかった汚いものは早送りして
僕たちは千年後にはいないからまた会おうよと声を重ねた
凛として階段の上を睨み据え僕は明日も勝つつもりです
アイスバー半分に割り俺だけの夏への扉が開かれてゆく
おまつりの意味をぼくだけ知らないであとだしじゃんけんしているみたい
ふたりならよきことになる祭り日の奈落を忘れて空が笑った
戦いの日々は続くさお茶だって何十杯も飲み干したのだ
花びらは川面を埋めてもう二度と海の響きは聞こえませんよ
星ぼしを手にとらえずに見上げてる地上を歩くひとでありたい
甘酒を向かい合わせに飲みながら同じ重さの声を返した
目を逸らす揺れる裾から漏れてゆく恋は所有と叫ぶアラート
トモダチの優しさの先に怯えてるひまわりを折る夏の暴力
こんなにも続いた思いは嘘だってサッカーゴールが言ってくれたら
逃がさない 僕の寂しい性分は家族ばかりを欲しがっている
走れ けものが愛撫する偶像の中核をなす熱をとらえよ
ニンゲンをやめられたなら良かったね みんなのものだったなら良かった
死んでいる僕のベッドの傍らに幽霊のような友人が来る
アナタガダレダカワカリマセン規定した彼の名前に返る信号
飴玉がざらざらざらざら零されて地団駄をふむ僕と無関係
エバーアフターは消え去り戦闘はまだ続くのでガラスを履いた
ハッピーなファミリードリームぐるぐると僕らはひとつの卵のなかだ
変化するイキモノであり続けてね わたしはいきているものがすきだよ
完全な愛が見出されましたので魔法使いの弟子になります
しりたいよあなたのことを信仰を告白してるみたいな声で
運命はここにあります崩れない渇いた薔薇の囁きを聞く
求めたもの 手に入らなかったものすべて 君の真夏の光に触れた
知っていた あなたは夏の光 だからもういい 死んでしまおう
箱庭のそとから手を振るあなたにも不思議なものが見えていたんだ
瞬きはシグナルである空割れてトモダチ トモダチ トモダチが来る
りいんりいんウィンドウこそSUNでありぱりんと割れたらわたしのものよ
トモダチをなくした朝のアカツキに兄さんの放つ業火を見たの
世界が変わる もう二度と戻れない夜に響いた笛の音
ねえあなた世界のありかを知っている? 無垢だけが見る真実がある
壊された世界の炊飯ジャーからは平らな米の地平の拒絶
赤とんぼ指差し夏が終わるよと言えない父が取り残される
最小の家族となった俺たちをつなぐテレビジョンのぬくもり
ひとりでは生きていないから七夕の笹飾りにもあの子の名前
弟が海のかなたで笑ってるぎらぎらをみるときにかなしい
まじわらないふたりは遠ざかりながらきれいきれいと影をみつめた
閉ざされた海のひかりに目をそらし たとえばカレーを作って食べる
天からはあなたの声が与えられさびしい子にだけトモダチがいる
スクランブル・エッグにされた憧れは夏の日差しのせいでこげつく
シンパシーサインとしての消しゴムを手渡すときに名前を呼んだ
教室で一番かわいい女の子を見ていないたったひとり
虹を見た僕らを濡らす天気雨明日はどんな愉しい日かな
音記号言葉音楽ゆらぐきみなにもかもからひとつを選ぶ
君にだけ与えたかった光源を掲げた腕がぴんと長くて
日蝕がはじまる前に覚えてて きみを愛するために生まれた
太陽はここにあります僕たちは光のさなかでまた会うでしょう
壊された街からも一度始めよう 蝶々は空を選んで飛んだ
観覧車が回っているよ俺たちの約束なんて忘れたみたい
迷わずにおまえを見つめて歌うから一新星のままでいろよ
あたらしい太陽が来るそのときが何度来たって俺は負けない
進もうよ どんなやり方でもいいよ 乗れない電車のかわりに走ろう
人間は一人でだから孤独である ゆえに君を探し求める
猫がゆく道の向こうを見失いきっと取り戻せない掌
浸透する愛という名の道しるべいつだって見えているからふたり
いつまでも友達だから大丈夫 たくさん食べてつづけてください
いつまでも君ある星が眩しくてそうして君の目覚める朝だ
ただいまとおかえりなさいを繰り返し僕の家族になってください
チームメイト募集 世界とか俺と一緒に救ったりしませんか
夜に笛聞いた子供も眠ってた子供もみんなひかりの子供
親友って言葉はむずむずするからさ 単にふたりで映画を見るよ
かがやきを食べて生きてるあなたには心音すらも食物である
あの夏のことを覚えたままでいる 鎖の匂いが救命ボート
諦めて人生なんかは捨てちゃってヒーローショーはあなたのものだ
恋なんてお荷物じゃなくフィールドを二人で走っていたかっただけ
ホイッスル高く鋭く鳴らしたら救世主には俺がなるから
ふつうじゃあない人生は恋のよう 傷つきながらゴールを探せ
男の子になりたがってるわけじゃなくトモダチまでの距離が長くて
おひさまが頑張ろうよって光るからわたしあなたとまだここにいる
ねえきみはグラウンドには行かないで海の匂いがわかってしまう
恋みたい 窓枠に手をかけたってそれぞれ別の言語を生きる
恋だけが呪いのようにありました指輪なんかは火山に捨てて
トモダチになってください 閉ざされた窓を開いた手がここにある
欲しいのは理解ではなくまなざしでふたつの星が手をつなぐ夜
わたしたち終わらぬ夏を生きたくておみせやさんをさがしてあげる
ねえ俺のこと好きになってよトモダチの次の次くらいでいいからさ
嘘つきのあのひとのことくすくすと話すあの子のアイスの話
一説によると曇りの朝だけはどこまでも声が届く お祈り
わたしにはほむらとしての楽園の扉が見えていてあいのうた
あおいろの地平線から大丈夫だよってあなたが隣にいたの
なあ神様、俺の愛した世界なら俺に救えるはずなんだろう?
誰よりも最前線で手を翳すあなたの声が夜壊す笛
空を飛ぶ鳥のようだね 誰だって自分以外になれないってこと
アスファルトチョークの黄色で染め上げて明日はもっと強くなろうよ
高潔な天使にだって板チョコを分配しながら準備は万端
おつきさま欲しい僕らが幸福に暮らしていけるおうちが欲しい
マンションの最上階から伝言です、お買い物ならあたしも行くわ
つながない掌の距離かなしくてこのままこのまま樹の下にいる
遠ざかるがたがた電車の向こうからカラーの中のモノクロのように
わたしには信じられない教科書をみぬいてかしこくなれるおくすり
死ぬなんて簡単だからおくすりを飲んだ醜いあたしを殺す
もう一度ハッピーエンドを探そうと手を繋いでた男が死んだ
トモダチが無限に降った朝だった みんな ただしい 生きていていい
平行に僕らはゆくよ別々の切符を買って見せ合いっこして
進んでゆく体を留められないという呪いなら受け入れたから
あの夏に帰れないけどそれでいい大丈夫だよとあなたは言った
ゆうやけがきれいねだからありがとう今日も一緒にいてくれたこと
進んでゆく電車の中で目を閉じて真っ暗闇だが確かな何か
うつくしいだけの花だけ欲しかった汚いものは早送りして
僕たちは千年後にはいないからまた会おうよと声を重ねた
凛として階段の上を睨み据え僕は明日も勝つつもりです
アイスバー半分に割り俺だけの夏への扉が開かれてゆく
おまつりの意味をぼくだけ知らないであとだしじゃんけんしているみたい
ふたりならよきことになる祭り日の奈落を忘れて空が笑った
戦いの日々は続くさお茶だって何十杯も飲み干したのだ
花びらは川面を埋めてもう二度と海の響きは聞こえませんよ
星ぼしを手にとらえずに見上げてる地上を歩くひとでありたい
甘酒を向かい合わせに飲みながら同じ重さの声を返した
目を逸らす揺れる裾から漏れてゆく恋は所有と叫ぶアラート
トモダチの優しさの先に怯えてるひまわりを折る夏の暴力
こんなにも続いた思いは嘘だってサッカーゴールが言ってくれたら
逃がさない 僕の寂しい性分は家族ばかりを欲しがっている
走れ けものが愛撫する偶像の中核をなす熱をとらえよ
ニンゲンをやめられたなら良かったね みんなのものだったなら良かった
死んでいる僕のベッドの傍らに幽霊のような友人が来る
アナタガダレダカワカリマセン規定した彼の名前に返る信号
飴玉がざらざらざらざら零されて地団駄をふむ僕と無関係
エバーアフターは消え去り戦闘はまだ続くのでガラスを履いた
ハッピーなファミリードリームぐるぐると僕らはひとつの卵のなかだ
変化するイキモノであり続けてね わたしはいきているものがすきだよ
完全な愛が見出されましたので魔法使いの弟子になります
しりたいよあなたのことを信仰を告白してるみたいな声で
運命はここにあります崩れない渇いた薔薇の囁きを聞く
求めたもの 手に入らなかったものすべて 君の真夏の光に触れた
知っていた あなたは夏の光 だからもういい 死んでしまおう