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シロクロモノクローム

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第三十九話:警告



心地よい充実感がぼくを満たす。そんなぼくの頭を、クオリアさんはクシャクシャと撫でてくれる。なんだかとてもうれしかった。
そんなことをしていると、窓からカジ君が、ニヤニヤした顔で首を突っ込んでくる。
「お二人はラブラブッスねー。妬けちゃうっスー」
「ば、ばっかそんなんじゃねえよ」
クオリアさんは真っ赤になって否定する。
「なにもそんな必死に否定することないじゃないですか」
ぼくは瞳に涙をためてクオリアさんを見る。
「あー兄さん泣かせちゃったー」
「な、なんだよ」
クオリアさん。たじろいでうろたえる。
「ぼくの事嫌いなんですか?」
上目遣いで瞳に涙をため、ぼくはクオリアさんに聞く。
「な、な、んだよ。俺が悪い事したみたいじゃねえか」
「してないっていうんスか? 女の子に恥かかせておいて」
カジ君解ってらっしゃる。絶妙な援護射撃。
クオリアさんは「うー」とか「あー」とかひとしきりうなった後、耳の先まで赤くする。これは、やばい。
この人かわいすぎる。
ひとしきりぼくはカジ君とクオリアさんをイジっていると、デバイスから何かアラームが鳴り響いた。
「どうしたんだ?」
クオリアさんは助かったという表情で、ぼくに尋ねる。
「どうしたんだろう?」
ためしにデバイスにふれてみる。するとデバイスのモニター部分が真っ赤になった。
そして、画面いっぱいに「警告」の文字。
「警告」の文字は数秒で消え、その後になにかの文章が表示された。
その文章を読んで、ぼくらは固まった。

作品名:シロクロモノクローム 作家名:伊織千景