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和尚さんの法話 「お経を実行する」

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諸の行は尊重して行いなさいということですね。
そして諸の悪は作すこと莫(なか)れですね。

お経の読み方で言うと、「しゅぜんぶぎょうしょあくばくさ」と読みます。

仏教の根本はなにかと聞いたら、善いことをしなさい、悪いことをするなということで
す。

するとその詩人は、そんなことは三歳の子供でも知ってるじゃないかと言ったんです。

すると禅師は、
「三歳の童子それをよく知ると雖も、八十の翁よくこれを行うこと無し」

言葉は子供でも知っているかもしれないが、八十になっても行わないぞと。

それで詩人ははっと、反省をしてそれから仏教信者になるのです。
そういう経緯があるんですね。

「衆善奉行諸悪莫作」これはお経の一説なんです。

その後に「自浄其意是諸仏教」自らその意(こころ)を浄(きよ)くせよ、是れ諸仏の教えなり」。

これは「七仏通戒の偈」というお経です。

この七仏というのは、お釈迦様から過去に七人の仏様が出てきたというのですね。

その仏様が皆これを教えてるというのです。

七人の仏様だけじゃないですね、過去の恒河砂数の仏様が皆それを説くわけです。

お釈迦様が説いて、前の仏様が説いてないはずがないんです。
だから善いことをして悪いことをするなと。

それは道徳じゃないかと思うのですが、仏の道は人の道に通じないといけないですからね。

ただ仏教は、人間はそういうふうにしないといけないんだということだけではなくて、それが皆自分に戻ってくるんだぞという戒めです。

善いことは善いように悪いことは悪いように。
そして生死解脱。輪廻解脱ですね。

地獄へいってまた生まれてきては、地獄へいくと繰り返すか、生死を解脱できるかという分かれ目がこれですね。

これはいろいろなお経に参列してますね。あちこちに出て来ます。

そういうことで、我々が一番気になるのは運命ということですね。

だから皆自分の悪い運命を避けようとするのですけれども、結局それは自分が作ってあるのです。

今までの運命は皆、自分が作ってる。

だからこれからも自分の運命を作っていくのだから、善い運命になりたいと思うなら、少々辛くても善いことをして悪いことをしないようにと、こういうことです。

現在の世の中を見ますと、親子で殺人を犯したり、学校や社会での苛めが多く報道されていますね。

この結果は自分が報いるんだ、自分の将来の運命を作ってるんだということを考えると、とても出来ないと思うのです。

だけれども、自分がやったことの結果を自分が受けるんだということは、これほど公平なことはないと思いますね。

差別されるということがありますが、それも前世で自分が差別をしたから、その報いを受けるわけですから。

ただそれを証明することができないだけですね。

昨日のことが今日報いるのだったらそれは認めると思うのですがね。
悲しいかな仏教の教えは前世のことが多いのでね。

来世も前世も信じないでこの世だの話ですが、例えば交通事故で自転車が当たったのに車が悪いといいますね。

仏教でいうと、そういう車に遭う因を持ってるということになるわけです。

車は縁であって、原因は自分にあるということです。

前世でなにか難を逃れるという原因を作ってあったからですね。
こういうふうに因果の応報を信じたら罪は最大限に減ると思うんです。

本来の仏教の教えは、輪廻から脱するということです。
報によって三界の迷いの世界を輪廻するわけです。

そこから出るということですね。

そして菩薩になって如来様に成っていくというのが仏教の根本の教えですけれども、日々の生活の中にも行いによって、災難から逃れるということがありますから。

神官と僧侶の運命は予想し難しというように信仰によって助かるんですね。

信仰というのは、観音様、お地蔵様を直接拝むということもそうですし、教えを守る。

教えを実行するということですね。

実行していたら、剣難も死ぬところを助かるというようなものですのでね。
そういう日々の現世利益ですね。

現世利益というのは非常に身近に痛切に感じるわけですね。

死後のことがどうというよりも、この世の幸福のほうが、どうしても魅力がありますね。

こんなことがあるのかなと思うことがありますね。


以前にもお話したと思いますが、或る人が弘法大師を一所懸命に信仰してまして、毎月21日に東寺へお参りをしてお堂の周りを21回まわってたんです。

東の門のところに宝くじを売ってる人がいて、いつも買わずに帰るんですが、その日はもの凄く買いたくなったんです。

それで3枚だけ買ったんですが、その3枚が当たったんです。

それは、ここで買いなさいと弘法大師が知らせてくれたんですね。

3枚買ったのが3枚当たったというのですから。
だから神仏にはそういう通力があるんです。

だからそういうこともそうですし、災難もそうですし、病気だってお医者さんはだめだとおっしゃったけど、神仏の力によって助かったということがあります。

だから仏教は現世の利益と、来世の利益と両方を説いてあるのです。
ですが、本命となったらあの世の救いですね。

この世で病気になって治っても、いずれは死ぬんですから。
どうしたって死ぬ。

永久に死なないというのと違いますね、一時的なものです。
極楽へ行けばもう永遠ですからね。