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Mission!! 第8話~第12話

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「私の婚約者、サラ・ブルックナー嬢です。」
「・・・・はじめまして・・・」
「婚約者・・おおお、そうですか!!それはそれは!もしかして私たちが世界中で一番最初にお目にかかれたわけですか?光栄ですなあ。それにしても美しい女性だ・・。ブルックナー嬢、私はイタリア領事館のブラマンテといいます。どうぞよろしく」
「・・・よろしく・」
サラは緊張した面持ちながらも、ブラマンテら4人の背広のふくらみをチェックしていた。彼女のボディガード業は、ここフォイオンについてすぐ始まっている。彼らが拳銃を保有しているかどうかを確認したのだ。
「サラはさきほどこの国に到着したばかりなのに、無理に言って同席してほしいと頼み込んでしまいました。」店のオーナーであるロレンティオに案内され、店の奥へ入っていこうとしたその時、サラの耳にヘリコプターの飛来する音が飛び込んできた。
「・・・・・アパッチ・・・」
サラは、レストランの内部に入ったとたん、そこに飾られている美しい装飾品には目もくれず、しきりと窓の外へ目を向けた。遠く離れた彼方の空に、時折パッと明るく光るのが見えた。『ベンは大丈夫だろうか?あのアパッチは友軍機だといいが・・・・。』

少し不安になって窓の外を見ていたサラの背後から、ロレンティオ氏が忍び寄り、そうっとサラの肩に手を当てた。
とっさに身構えるサラだったが、彼は微笑みながらそうっとサラのコートを預かろうと手を差し伸べただけのことであった。
「・・あ、失礼・・・」救急車両がけたたましく、レストランの前を走っていった。こんな状態ではとても食事なんてできる心境ではない。
あの馬鹿ホウィもきっとあのあたりにいるはず・・・。やはり私が行くべきだった・・・。
「あ、ちょっと失礼・・」心配そうにサラを見ているアンドレにそう言うと、急ぎ足で女性用の化粧室へと向かった。ドアを閉めるや否や、コンパクト型のアンテナを立てた瞬間、ベンの声が入ってきた。
「こっちのことは気にするな」耳のイヤリングに反響して聞こえてくるベンの声は比較的落ち着いていた。
「ベン、さっき軍用ヘリコプターが通り過ぎたわ。大丈夫なの?」
「そんな心配するくらいなら、テーブルマナーでも心配しておけ!今、マシューとジョルジュを追い詰めているところだ!」
「やつらはどこに?」
「映画館のトイメンにあるビルに閉じこもっている。できれば捕獲したい。いろいろ懐かしい話もあるんでな」
「フランツの家族は?」
「上手くやっている。王を頼むぞ!通信終了!」
やはり忙しいのか、言いたいことだけを伝えたら、こっちの心配もよそに勝手に切られてしまった。おおきくため息をつくサラだった。

作品名:Mission!! 第8話~第12話 作家名:Rachel