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プライド

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竜治「善処するよ」

   伸也に蹴りを入れる

伸也「うっ」
竜治「おっと足が滑っちまった」
憂理「ちょっと何してんのよ」
竜治「文句あるのか」
中森「憂理ちゃん、下がってなさい。それと君、あまり私を怒らせないでくれ」
竜治「怒らせるとどうなるんだ?」
伸也「親父、無理すんな」
中森「伸也、たまにはいい所見せてやる」
竜治「やるのか、おっさん」
中森「息子の前でみっともない所見せる訳にはいかないからね」

  竜治・中森殺陣   中森勝利

中森「これに懲りたらもう私たちに構わないでくれ」
竜治「くそ、舐めんじゃねえぞ。俺の親父が誰だか知ってるのか?」
中森「あぁ、知っているよ。おい響」
響 「なんだ?」
中森「お前確か嶽内さんに金貸していたよな」
竜治「な、なんで俺の名字を・・・」
響 「もしかしてこいつ、タケの子供だったのか?」
中森「そうなんだよ。こいつな、よく嶽内と麻雀しに行くんだよ」
響 「私がいつも勝つけどな。なんだかんだで100万くらい勝っているな、たしか」
竜治「え、親父の知り合いなのか・・・あんたら」
中森「と言うか友達だな」
響 「ああ、あいつとは高校からの付き合いだ」
憂理「本当なの、お父さん?」
響 「もちろん、本当だ。別に私たちと会う時はただの友達としてだから心配する事はないぞ」
中森「だから君の脅しは私たちには通用しないんだ」
響 「というか逆に脅すことも出来るぞ、100万の貸しがあるから」
竜治「え、あ・・・そ、その済みませんでした」
中森「不良なんて止めて立派なヤクザになるんだぞ」
響 「それ矛盾してないか?」
中森「今時ヤクザだって勉強できないと不味いだろ」
響 「勉強よりも義理、人情の方がヤクザには大事だろ」
中森「それもそうだが・・・まぁ、いい。伸也帰るぞ。ほら君たちも早く家に帰りなさい」
竜治「辰、猪狩、帰るぞ」

   竜治・辰次・猪狩 ハケ

伸也「あぁ・・・」
中森「どうした?ボケ〜として」
伸也「いや、なんて言うか・・・夢じゃないよな?」
憂理「当たり前でしょ、何言っているの」
響 「そんなに信じられないか?」
伸也「だって親父があんなに強いなんて思わなかったし、それにヤクザと友達だったなんて・・・」
中森「嶽内は、ただの友達だ。ヤクザとか関係ない」
響 「カッコつけるなよ、あいつはヤクザだ」
伸也「・・・ごめん、父さん」
中森「ん、何か言ったか?」
伸也「な、なんでもねえよ」
憂理「素直になりなさいよ、馬鹿」
伸也「いってー、俺は怪我人だぞ」
憂理「自業自得でしょ」
伸也「自業自得って、元はと言えばお前が・・・」
憂理「グチグチうるさいわねぇ、そもそもあんたがあいつらに仕返しするとか言い出したんでしょ」
伸也「そ、それはそうだけど・・・」
響 「夫婦喧嘩はそれくらいにしとけ」
伸也「響さん!」
憂理「お父さん!」
響 「はっははは」
中森「お前本当に変わらないな・・・」
響 「ん、何がだ?」
中森「憂理ちゃんも大変だね」
憂理「ほんと、大変なんですよ。中森さんと変わって欲しいくらい」
響 「なら伸也、俺が親父になってやるよ」
伸也「お断りします」
響 「なんでだ!昨日は俺が親父だったらいいな〜と言っていたじゃないか」
中森「そうなのか、伸也?」
伸也「あの発言は嘘だよ、響さん」
響 「貴様私に嘘をついたのか!」
中森「お前だってしょっちゅう嘘言っているじゃないか」
響 「それはお前らが無知なのを棚に上げているだけだろ!」
憂理「お父さん、うるさい」
響 「うるさいっておま・・・」
憂理「いいから黙って」
響 「・・・はい」
中森「娘にやりこまれてやんの」
響 「なんだと!元はと」
憂理「お父さん?」
響 「あっ・・・っく、私は帰るぞ」
中森「またな」
響 「うるさい!」
憂理「またそんな口聞いて。まあいいや私も帰ります」
中森「そうか、気をつけて帰りなさい」
憂理「伸也、別れの挨拶くらいしなさいよ」
伸也「うるせえな」
中森「うるせえじゃない、ちゃんと挨拶しなさい」
伸也「わかったよ、じゃあまたな」
憂理「それでよろしい。じゃあまたね」

  響・憂理ハケ

中森「じゃあ俺たちも帰るか」
伸也「・・・うん」

  中森・伸也ハケ
  暗転

シーン9
  明転
  喫茶店 幸子と伸也

幸子「で、結局仲直りはできたの?」
伸也「なんというか・・・俺が悪いわけですし」
幸子「そうね、中森君は悪い事してないものね」
伸也「・・・」
幸子「ま、どっちでもいいけどね、別に」
伸也「なんですか、それ」
幸子「だってすっきりした顔してるもん、伸也君。この前よりずっといい顔している」
伸也「そうですか?」
幸子「ええ、とってもいい顔してる」

  響 登場
響 「お、伸也来ていたのか」
幸子「ああ、うるさいのが来た」
響 「うるさいとはなんだ、うるさいとは」
幸子「そのままの意味よ」
響 「まぁいい。これを見ろ、びっくりするぞ」
幸子「また変な物買ってきたの?やめてよ、ガラクタ増やすの」
響 「ガラクタとはなんだ、ガラクタとは」

  中森 登場

幸子「いらっしゃいませって中森君じゃない」
中森「こんにちは、幸子さん」
響 「お前が私の店に来るなんて珍しいな」
中森「たまには息子と一緒に一杯やろうかなって思ってな」
伸也「なんだよ、気持ち悪い」

  憂理登場

憂理「なになに、みんな集まって」
響 「なんだ、お前まで」
憂理「なによ、来ちゃいけないわけ?・・・ってまたお父さんガラクタ買ってきたの?」
響 「お前までガラクタっていうか・・・」

   楽しげに会話しつつ照明フェードアウト

  End


作品名:プライド 作家名:ハヤコー