プライド
プライド
中森・・・会社員
伸也・・・中森の息子 高校生
幸子・・・伸也が通う喫茶店のマスターの奥さん
響・・・幸子の旦那、つまり喫茶店のマスター 中森とは高校時代からの親友?的存在
憂理・・・伸也のガールフレンド 幸子と響の娘
竜治・・・不良1
辰次・・・不良2
猪狩・・・不良3
シーン1 伸也椅子に座って雑誌を読んでいる 中森帰宅
中森「ただいま」
伸也「おかえ・・・どうしたんだよ、親父、ボロボロじゃないか」
中森「ん?あぁ、ほら、アレだ、オヤジ狩りにあった」
伸也「大丈夫かよ、怪我は?」
中森「明日腫れるかもしれないが大丈夫だ。幸い大人しく金を渡したらすぐに解放されたし」
伸也「えっ!?なんだよ、抵抗しなかったのかよ」
中森「金渡せば解放してくれるならその方がいいだろ。それに大人が手を出したらいろいろ不味いだろ」
伸也「そんな事関係あるかよ!それに親父が汗水垂らして稼いだ金じゃないか、なんでそんな簡単に渡すんだよ」
中森「金はまた稼げばいいだろ。そんなことより今日の飯はなんだった?」
伸也「そんな事ってなんだよ!!悔しくないのかよ!!」
中森「悔しいもなにも過ぎた事はしょうがないだろ」
伸也「意味わかんねえよ・・・プライドとかないのかよ!!」
中森「もう行っていいか?」
伸也「…勝手にしろ、クソ親父!!」
中森はける
暗転
シーン2
明転
場所は喫茶店 幸子と伸也が話てる
幸子「そんな事があったから今日はイライラしていたのね」
伸也「もういいです、あんなクソ親父のことなんか」
幸子「あら、私は中森君が駄目親父だとは思わないけど」
伸也「なんでですか」
幸子「だって中森君の言うとおりじゃない。ヘタに抵抗して怪我するよりお金渡して済むならそれでいいじゃない。伸也君の言うこともわかるけどさ」
響 「いや、伸也の方が正しい」
響登場
伸也「響さん」
幸子「あら聞いていたの、あなた」
響 「全く中森も情けない。たかだか数人の馬鹿に囲まれたくらいで金を出しやがって。挙句の果てにはまた稼げばいいだと?男としてのプライドはないのかあいつは」
幸子「なに言ってんだか」
伸也「俺もそう思います」
響 「そうだろ、伸也。殴られて黙っているなんて男が廃る。そういう心意気があいつにはないんだ」
伸也「やっぱり響さんは話がわかるなぁ」
響 「それにな、オヤジ狩りをするガキなんてな、群れて気が大きくなっているだけなんだ。一人ではなにも出来ない癖に群れて強くなった気でいる馬鹿だ、そんなやつらは一回痛い目を見せてやらないと駄目なんだよ」
幸子「まさか、あなたこれから中森君を襲った人を探しに行くとかいわないわよね?」
響 「なんで私がそんな事をしないといけない?」
幸子「ならいいけど」
響 「私が言いたいのは、その馬鹿なガキどもを分からせる力を持っているくせに使わない中森はアホだと言いたいんだ」
伸也「響さん、あの親父がそんな力持っているはずないですよ」
響 「なんだ、知らないのか?あいつ学生時代ボクシングでインターハイ準決勝までいったんだぞ?」
伸也「あの親父が!?本当ですか?」
響 「私が嘘を言ったことがあるか?」
幸子「本当の事よりデマカセを口にしたことが多い癖に」
響 「何を言っている、私がデマカセなんて言うはずないだろ」
幸子「はいはい、そうですね〜」
響 「なんだ、その言い草は」
幸子「だってあなたの話す事のほとんどが嘘にしか聞こえないんだもの」
響 「それはお前が無知なだけだろ」
幸子「あなたは私より物事を知っていて凄いですね〜」
伸也「あの、痴話喧嘩はそのくらいにしてくれません?」
幸子「あら、ごめんなさい」
伸也「それで、親父がボクシングでインターハイまでいった本当なんですか、響さん?」
響 「本当だぞ。まぁ私には勝てなかったけどな」
幸子「なにを言っているんだか、あなたはインターハイどころか予選一回戦で敗退じゃない」
響 「あれは事実上の決勝戦だったんだ」
伸也「それ、他の人達も言ってるよ、絶対」
響 「伸也もそう思うか?」
幸子「伸也君はそういう意味で言った訳じゃないわよ」
響 「じゃあどういう意味だ?」
幸子「はぁ・・・」
響 「まぁいい。とにかくあいつはオヤジ狩りなんてするガキなんかに負けるはずがないんだ、私には勝てなくてもな」
幸子「中森君が手加減していただけだと思うけど」
響 「そんな事あるものか」
幸子「そんなの分からないじゃない」
響 「私には分かる。あいつは手加減なんてしてなかった」
幸子「はいはい」
伸也「俺、響さんの子どもに生まれたかったなぁ」
幸子「えっ?こんなののどこがいい訳?」
伸也「幸子さん、それ自分で言います?」
幸子「私はね、この人が『この結婚は嘘だったんだ』で言いだすのをずっと待っているのよ」
響 「馬鹿な事を言うな」
幸子「あら、私は本気よ?」
憂理「ただいま」
憂理登場
憂理「あれ、あんた来てたんだ」
伸也「なんだよ、居ちゃ悪いのかよ」
憂理「そんな事誰も言ってないでしょ」
幸子「ほらほら夫婦喧嘩しない」
憂理&伸也「誰が夫婦だ!」
響 「はっはは。あ、憂理もコーヒー飲むか?」
憂理「いいよ、自分で淹れるから」
幸子「そうよ、あなたの淹れるコーヒーちっとも美味しくないんだもの」
響 「それなんだよなぁ、なんで俺の淹れるコーヒーはお前らが淹れるコーヒーより不味いんだ?」
幸子「人間性の問題じゃない?」
響 「コーヒーの味に人間性なんかが関係するわけないだろ」
幸子「でも実際にコーヒーの味に差が出てるじゃない。伸也君もそう思うでしょ?」
伸也「人間性のせいかは分かりませんけど、確かに響さんの淹れるコーヒーはお世辞にも美味しいとは言えません」
憂理「そういえば、昨日あんたのお父さんみたいな人がガラの悪い人達に絡まれていたみたいだけど・・・」
伸也「だからなんだよ」
憂理「やっぱりあんたのお父さんだったんだ、大丈夫だったの?」
伸也「うるせえな。どうだっていいだろ、そんなこと」
憂理「なによ、それ。自分のお父さんが・・・」
伸也「あ、響さん俺そろそろ帰るわ」
響 「おう、何時でも来いよ」
憂理「ちょっと私の話がまだ・・・」
伸也ハケ
憂理「なによ、あいつ・・・」
響 「今のはお前が悪い」
憂理「はぁ!?どういう意味よ」
幸子「そうよ、憂理は今までの話を知らないんだから仕方ないでしょ」
憂理「なにがあったの?」
幸子「えっとね・・・」
暗転
シーン3
明転
喫茶店からの帰り道 伸也歩いていると前から猪狩・辰次登場
辰次「おい、なににらんでんだよ」
伸也「はぁ!?別にあんたたちの事なんかにらんでないんですけど」
辰次「てめぇ、舐めてんのか」
伸也「別に舐めてなんかいませんよ」
辰次「謝るなら今の内だぞ?」
猪狩「ま、謝ってもゆるさねぇけどな」
伸也「謝るようなことはしていませんよ、俺」
辰次「生意気なんだよ、お前」
喧嘩の殺陣 伸也は負ける 不良たちは去る
憂理登場
憂理「ちょっと、どうしたの!?」
伸也「なんでもねぇよ」
憂理「そんなにボロボロでなに強がっているのよ、ほら怪我見せ・・・」
中森・・・会社員
伸也・・・中森の息子 高校生
幸子・・・伸也が通う喫茶店のマスターの奥さん
響・・・幸子の旦那、つまり喫茶店のマスター 中森とは高校時代からの親友?的存在
憂理・・・伸也のガールフレンド 幸子と響の娘
竜治・・・不良1
辰次・・・不良2
猪狩・・・不良3
シーン1 伸也椅子に座って雑誌を読んでいる 中森帰宅
中森「ただいま」
伸也「おかえ・・・どうしたんだよ、親父、ボロボロじゃないか」
中森「ん?あぁ、ほら、アレだ、オヤジ狩りにあった」
伸也「大丈夫かよ、怪我は?」
中森「明日腫れるかもしれないが大丈夫だ。幸い大人しく金を渡したらすぐに解放されたし」
伸也「えっ!?なんだよ、抵抗しなかったのかよ」
中森「金渡せば解放してくれるならその方がいいだろ。それに大人が手を出したらいろいろ不味いだろ」
伸也「そんな事関係あるかよ!それに親父が汗水垂らして稼いだ金じゃないか、なんでそんな簡単に渡すんだよ」
中森「金はまた稼げばいいだろ。そんなことより今日の飯はなんだった?」
伸也「そんな事ってなんだよ!!悔しくないのかよ!!」
中森「悔しいもなにも過ぎた事はしょうがないだろ」
伸也「意味わかんねえよ・・・プライドとかないのかよ!!」
中森「もう行っていいか?」
伸也「…勝手にしろ、クソ親父!!」
中森はける
暗転
シーン2
明転
場所は喫茶店 幸子と伸也が話てる
幸子「そんな事があったから今日はイライラしていたのね」
伸也「もういいです、あんなクソ親父のことなんか」
幸子「あら、私は中森君が駄目親父だとは思わないけど」
伸也「なんでですか」
幸子「だって中森君の言うとおりじゃない。ヘタに抵抗して怪我するよりお金渡して済むならそれでいいじゃない。伸也君の言うこともわかるけどさ」
響 「いや、伸也の方が正しい」
響登場
伸也「響さん」
幸子「あら聞いていたの、あなた」
響 「全く中森も情けない。たかだか数人の馬鹿に囲まれたくらいで金を出しやがって。挙句の果てにはまた稼げばいいだと?男としてのプライドはないのかあいつは」
幸子「なに言ってんだか」
伸也「俺もそう思います」
響 「そうだろ、伸也。殴られて黙っているなんて男が廃る。そういう心意気があいつにはないんだ」
伸也「やっぱり響さんは話がわかるなぁ」
響 「それにな、オヤジ狩りをするガキなんてな、群れて気が大きくなっているだけなんだ。一人ではなにも出来ない癖に群れて強くなった気でいる馬鹿だ、そんなやつらは一回痛い目を見せてやらないと駄目なんだよ」
幸子「まさか、あなたこれから中森君を襲った人を探しに行くとかいわないわよね?」
響 「なんで私がそんな事をしないといけない?」
幸子「ならいいけど」
響 「私が言いたいのは、その馬鹿なガキどもを分からせる力を持っているくせに使わない中森はアホだと言いたいんだ」
伸也「響さん、あの親父がそんな力持っているはずないですよ」
響 「なんだ、知らないのか?あいつ学生時代ボクシングでインターハイ準決勝までいったんだぞ?」
伸也「あの親父が!?本当ですか?」
響 「私が嘘を言ったことがあるか?」
幸子「本当の事よりデマカセを口にしたことが多い癖に」
響 「何を言っている、私がデマカセなんて言うはずないだろ」
幸子「はいはい、そうですね〜」
響 「なんだ、その言い草は」
幸子「だってあなたの話す事のほとんどが嘘にしか聞こえないんだもの」
響 「それはお前が無知なだけだろ」
幸子「あなたは私より物事を知っていて凄いですね〜」
伸也「あの、痴話喧嘩はそのくらいにしてくれません?」
幸子「あら、ごめんなさい」
伸也「それで、親父がボクシングでインターハイまでいった本当なんですか、響さん?」
響 「本当だぞ。まぁ私には勝てなかったけどな」
幸子「なにを言っているんだか、あなたはインターハイどころか予選一回戦で敗退じゃない」
響 「あれは事実上の決勝戦だったんだ」
伸也「それ、他の人達も言ってるよ、絶対」
響 「伸也もそう思うか?」
幸子「伸也君はそういう意味で言った訳じゃないわよ」
響 「じゃあどういう意味だ?」
幸子「はぁ・・・」
響 「まぁいい。とにかくあいつはオヤジ狩りなんてするガキなんかに負けるはずがないんだ、私には勝てなくてもな」
幸子「中森君が手加減していただけだと思うけど」
響 「そんな事あるものか」
幸子「そんなの分からないじゃない」
響 「私には分かる。あいつは手加減なんてしてなかった」
幸子「はいはい」
伸也「俺、響さんの子どもに生まれたかったなぁ」
幸子「えっ?こんなののどこがいい訳?」
伸也「幸子さん、それ自分で言います?」
幸子「私はね、この人が『この結婚は嘘だったんだ』で言いだすのをずっと待っているのよ」
響 「馬鹿な事を言うな」
幸子「あら、私は本気よ?」
憂理「ただいま」
憂理登場
憂理「あれ、あんた来てたんだ」
伸也「なんだよ、居ちゃ悪いのかよ」
憂理「そんな事誰も言ってないでしょ」
幸子「ほらほら夫婦喧嘩しない」
憂理&伸也「誰が夫婦だ!」
響 「はっはは。あ、憂理もコーヒー飲むか?」
憂理「いいよ、自分で淹れるから」
幸子「そうよ、あなたの淹れるコーヒーちっとも美味しくないんだもの」
響 「それなんだよなぁ、なんで俺の淹れるコーヒーはお前らが淹れるコーヒーより不味いんだ?」
幸子「人間性の問題じゃない?」
響 「コーヒーの味に人間性なんかが関係するわけないだろ」
幸子「でも実際にコーヒーの味に差が出てるじゃない。伸也君もそう思うでしょ?」
伸也「人間性のせいかは分かりませんけど、確かに響さんの淹れるコーヒーはお世辞にも美味しいとは言えません」
憂理「そういえば、昨日あんたのお父さんみたいな人がガラの悪い人達に絡まれていたみたいだけど・・・」
伸也「だからなんだよ」
憂理「やっぱりあんたのお父さんだったんだ、大丈夫だったの?」
伸也「うるせえな。どうだっていいだろ、そんなこと」
憂理「なによ、それ。自分のお父さんが・・・」
伸也「あ、響さん俺そろそろ帰るわ」
響 「おう、何時でも来いよ」
憂理「ちょっと私の話がまだ・・・」
伸也ハケ
憂理「なによ、あいつ・・・」
響 「今のはお前が悪い」
憂理「はぁ!?どういう意味よ」
幸子「そうよ、憂理は今までの話を知らないんだから仕方ないでしょ」
憂理「なにがあったの?」
幸子「えっとね・・・」
暗転
シーン3
明転
喫茶店からの帰り道 伸也歩いていると前から猪狩・辰次登場
辰次「おい、なににらんでんだよ」
伸也「はぁ!?別にあんたたちの事なんかにらんでないんですけど」
辰次「てめぇ、舐めてんのか」
伸也「別に舐めてなんかいませんよ」
辰次「謝るなら今の内だぞ?」
猪狩「ま、謝ってもゆるさねぇけどな」
伸也「謝るようなことはしていませんよ、俺」
辰次「生意気なんだよ、お前」
喧嘩の殺陣 伸也は負ける 不良たちは去る
憂理登場
憂理「ちょっと、どうしたの!?」
伸也「なんでもねぇよ」
憂理「そんなにボロボロでなに強がっているのよ、ほら怪我見せ・・・」